都立戸山高等学校(東京)
■都立戸山はどんな学校?東京都新宿区にある東京都立戸山高等学校は1888年に補充中学校として創立。1948年に新制の都立第四高等学校となり、1950年から現在の校名である都立戸山高等学校となった。難関国公立大学に一定の現役合格者を輩出する東京都進学指導重点校や、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールの指定を受ける進学校で、野球部は昨秋、一次予選を突破して東京都大会に進出した。
■都立戸山野球部の練習環境現在、野球部は2年生11名、1年生9名の計20名で活動。1、2年生は学年に関わらず仲が良く、チームワークが取れている。校庭は他部活と共有のため、全面が使えるのは休日のみ。そこで平日の放課後はグラウンドと共に校舎周りのスペースも利用して練習に励んでいる。
■都立戸山を引っ張る選手は?昨秋の東京都大会出場を懸けた都立田園調布とのブロック決勝では代打の佐々木 薫平選手が同点のタイムリーツーベースを放ち、救援でマウンドに上がった合田 幸弘投手が好リリーフ。ベンチスタートの選手たちの活躍がチームを勝利に導いた。今春は川端 将弘選手、町田 光海選手、松永 俊一選手らに期待が寄せられており、特にバッティング練習では外野の頭を軽々と越える打球を放つ松永選手は、その長打力が魅力だ。
■秋季大会でつかんだ手応えと課題一次予選ブロック決勝の都立田園調布戦では7回に勝ち越しを許すも、9回表に3点を奪って逆転勝ち。主将の金子 草太選手は「誰一人として諦めることなく、チーム一丸となって相手に向かっていけば、どんな状況でも勝つことができる」と、自信をつかんだようだ。また、「大会を戦っていく中でチーム、個人共に大きく成長することができた」と手応えを感じた一方で、「それでも、まだまだ個の力が他校に比べて足りていない」とも話しており、個々のさらなるレベルアップが課題となっている。
■この冬の取り組み「チーム全体でどんな練習も乗り越えていく」ことを掲げ、追いつき走という選手を4つのグループに分けて4か所から1人ずつリレー方式で走り、前を走っている走者に追いつくまで走り続けるという体力的にキツいメニューを取り入れるなど、各選手が体作りに励みつつ、どこからでも得点ができるようにバッティングの向上を図っている。「春の大会が終わった時に『充実したオフシーズンだった』と、自信を持って言えるようにしたい」と、抱負を語る金子主将。春季大会では、まず本大会での1勝を目指す。
スタメン、ベンチ、スタンド全員の力で戦えるのが強み秋季大会での竹原 大輔選手(都立戸山高等学校)
ここからは、竹原 大輔投手(2年)と松永 俊一選手(2年)のお二人にお話を伺いました!
Q. 秋季大会を振り返って、課題に感じた部分は何ですか?
竹原:この秋は、自分の制球力とストレートのスピードに課題を感じました。松永:自分は器用な打者ではなく、秋季大会でも簡単にゴロを打ってしまった打席があるので、春からは必ずランナーを進められるようなバッティングの技術を身につけたいです。
Q. このオフシーズンはどのような冬にしていきたいと考えていますか?
竹原:人生で一番きつい冬にしたいです。松永:春、そして夏に結果が出せるように上半身、下半身共に強くし、守備での俊敏性もつけたいです。
Q. 野球をする上でのモットーや好きな言葉はありますか?
竹原:アルキメデスがアルキメデスの原理を発見した時に叫んだと言われている「ヘウレーカ!(分かったぞ!)」です。松永:最高の仲間への「信頼」です。
秋季大会での松永 俊一選手(都立戸山高等学校)
Q. ではチームの好きなところや、ここは他のチームに負けない!というところを教えてください。
竹原:ここぞという場面で爆発する打線。松永:スーパープレーヤーはいませんが、スタメン、ベンチ、スタンド全員の力を集結して戦うことができるところです。そして、このチームの好きなところは、全員に良いところがあり、その長所を試合で発揮できるところです。
Q. 最後に、このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!
竹原:「制球力の鬼」を名乗れるまでになることです!松永:守備では、自分の前に飛んできた打球をすべてアウトにすること。打撃では、得点圏にランナーがいる時は必ず打つこと。走塁では、隙があったらすぐに次の塁を狙えるような走力と判断力をつけることです!
竹原投手、松永選手、ありがとうございました!
基礎体力トレーニング(都立戸山高等学校)平凡の繰り返しが非凡になる!小泉 重雄監督にお話を伺いました!
Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされて来たのでしょうか?
新チームにはチームの柱。投の柱、打の柱となる者が存在しません。したがって誰かに頼るのではなく全員が自覚を持ち、1、2年の学年に関係なくチームの勝利のために責任を果たすこと。そして、その中でも2年生のリーダーシップ、1年生のメンバーシップをテーマにチーム作りをしてきました。
Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。
秋季大会では各選手の底上げが必要だと感じました。よって冬季トレーニングを乗り切ることで全選手のスピード、パワー、持久力に加え、メンタル面も強化していく方針です。
Q. 最後に、厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!
冬は、野球が好きな者にとって最も気持ちの乗らない季節の練習になりますが、もっとも大切な時期でもあります。「平凡の繰り返しが非凡になる」という言葉があるように、この時期にどれだけ前向きに過ごせるかが今夏に向けて大切になります。トレーニングはこなすのではなく、より高い目標を持って「もっと上手くなりたい」「強くなりたい」という気持ちを決して忘れずに、チーム内の競争に激しく取り組んでほしいです。練習は嘘をつかない!
小泉監督、そして都立戸山高校野球部の皆様ありがとうございました!
今年も大好評!【冬が僕らを強くする 特設ページ】各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!