27日、第89回選抜高等学校野球大会の出場32校が決まった。今年の出場校の顔ぶれや、注目地区の選考理由などについても迫っていきたい。

【北海道地区 出場枠:1】・札幌第一(2年連続2度目)

 全道大会2連覇の札幌第一が順当に選出された。投打ともに実力ある札幌第一は、選抜初勝利を目指す。

【東北地区 出場枠:2】・仙台育英 (2年ぶり12度目)・盛岡大附(4年ぶり4度目)

 東北大会優勝の仙台育英、準優勝の盛岡大附が順当に選出された。2年ぶり出場の仙台育英。東北大会でも優勝を収め、エース・長谷川 拓帆(関連記事)、ショート・西巻 賢二、捕手・尾崎 拓海など実力ある選手が揃う。盛岡大附は二季連続の甲子園出場。植田 拓は注目の強打者。また平松 竜也、三浦 瑞樹の二枚看板も注目だ。

【関東・東京地区 出場枠:6】・作新学院(5年ぶり10度目)・東海大市原望洋(7年ぶり2度目)・前橋育英(6年ぶり2度目)・健大高崎(2年ぶり3度目)・早稲田実業(4年ぶり21度目)・日大三(東京)6年ぶり19度目

 関東大会で上位4校の作新学院、東海大市原望洋、健大高崎、前橋育英と東京大会優勝の早稲田実業は順当に選出された。昨年、夏の甲子園優勝の作新学院は夏春連覇を目指してこの大会に臨む。そして最後の枠は日大三が選ばれた。関東5枠目といった慶應義塾と走攻守すべてにおいて両校との比較検討を行った。選出理由は都大会6試合で9本塁打を放った長打力や、清宮 幸太郎(早稲田実業)から5三振を奪ったエース櫻井 周斗の力量などが慶應義塾よりも上回り、選出が決まった。

【東海地区 出場枠:2】・静岡(2年ぶり16度目)・至学館(初出場)

 東海大会優勝の静岡、準優勝の至学館が順当に選出。至学館は初となる選抜出場の切符を手にした。

【北信越地区 出場枠:2】・福井工大福井(2年連続5度目)・高岡商(7年ぶり5度目)

 こちらも北信越大会優勝した福井工大福井と準優勝の高岡商が選出となった。福井工大福井は2年連続の選出。高岡商は北信越大会で2試合完封勝利を挙げた安定感ある試合運びが評価された。

【近畿地区 出場枠:7】・履正社(3年ぶり7度目)・神戸国際大附(7年ぶり4度目)・大阪桐蔭(3年連続9度目)・滋賀学園(2年連続2度目)・智辯学園(2年連続11度目)・報徳学園(3年ぶり21度目)・高田商(23年ぶり3度目)

 近畿地区は7枠に増枠されたことで、7枠目がどこが選ばれるのか注目が集まったが、激しい議論の末、高田商と決まった。高田商は、機動力野球で勝負するチームで、公式戦8試合で26盗塁を記録。エース・古川 響輝は右打者の内角をえぐる攻めが光った。補欠校では高田商と8対9の接戦を演じた和歌山東が1位となり、そして近畿大会準々決勝まで進出した上宮太子は2位となった。

【中国・四国地区 出場枠:5】・宇部鴻城(2年ぶり3度目)・市立呉(初出場)・創志学園(2年連続3度目)・明徳義塾(2年連続17度目)・帝京第五(48年ぶり2度目)

 注目となったのは、中国・四国5枠目の選考。5枠目は創志学園となった。創志学園は中国大会準決勝で、優勝した宇部鴻城に2対3と善戦した。

【九州地区 出場枠枠:4】・福岡大大濠(26年ぶり4度目)・東海大福岡(32年ぶり2度目) ・熊本工(10年ぶり21度目)・秀岳館(2年連続3度目)

 今年の九州は福岡県の学校と熊本県の学校が独占する形となった。4チームの投手力、守備力など総合力をすべて評価し、選出となった。

【21世紀枠 出場校枠:3】・不来方(岩手)初出場・中村(高知)40年ぶり2度目・team]多治見[/team](岐阜)初出場

 多治見は岐阜県では初の選出。中村は高知県では2013年の土佐以来、二度目の選出となった。部員10人の不来方が選出されたことだ。選考委員会の最後に挨拶した毎日新聞社の方のあいさつでは、「現在、今回の21世紀枠の選出に関してなのですが、10人で活動する不来方に限らず、全国には少ない部員で活動している学校が多くあります。今回はそんな学校にエールを送りたい思いで選出いたしました」と語った。

 第89回選抜高等学校野球大会は3月19日に開幕する。

(文・河嶋 宗一)

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