稚内大谷高等学校(北海道)
■秋の北海道大会ベスト4!稚内大谷高校とは?稚内大谷高等学校は、北海道稚内市にある私立高校。野球部は、名寄支部予選大会では1991年春予選から1999年秋予選2回戦まで100連勝した記録を持ち、OBには「日本最北端のプロ野球選手」として当時注目を集めた元ヤクルトスワローズの宇佐美 康広元選手がいる。
昨秋行われた北海道大会では、見事ベスト4に進出!「稚内から初めての甲子園へ」の悲願に向け鍛錬を重ねる、稚内大谷の日々に迫る。
■稚内大谷のチーム環境は?現在のチームは2年生13名、1年生11名という構成。選手たちの基礎体力作りのため、グラウンドに鉄棒を設置し、ウォーミングアップ後に懸垂と逆上がりを行うことを日課にしている。
■稚内大谷、ベスト4の原動力チームのウリは、「投手を中心とした流れの良い守備」「一度繋がると止まらない打線」「チーム内の仲の良さ」の3つ。昨秋は名寄支部予選からほぼ一人で投げ抜きチームを勝利へと導いた正岡 翔也投手と佐々木 悠人捕手を中心に安定した守備でリズムを作っていった。主将の上川原 丈登選手は「この秋の大会ではどんなピンチでも落ち着いて、仲間を信じてプレーができるようになり、また精神力もつきました」と秋の戦いぶりを振り返った。
打撃面では、秋季大会準々決勝の鵡川戦にて、2番井川、3番佐々木の連打でチャンスを演出。続く4番北崎 弘也の2点タイムリー三塁打、5番上川原 文登のタイムリーで一気に突き放し、試合を制した。この春の戦いにおいても、その打線の爆発力が期待されている。
■打ち勝つ野球へ!北国の地を強みに変える「夏は打撃力がないと勝ち上がれない」と上川原 丈登主将が語るように、稚内大谷はこの冬、「打ち勝つ野球」を目指し打撃を重点的に鍛えている。
日本最北の稚内にとって冬は積雪との戦いになる。しかし全国を見据えた時、それさえも武器に変える必要がある。選手たちによるとやはり、稚内大谷には「雪」を活かした名物練習があるという。約50センチの積雪状態にあるグラウンド上をダッシュするメニュー、「雪上ダッシュ」。120、100、80、50、30メートルをそれぞれ10本、計50本走り、終わるまで半日を要する過酷なトレーニング。冬休みは毎日、そして冬休み後も3月上旬まで土日に実施され、選手たちの強靭な足腰を作る役割を担っている。
■春に向けての意気込み!上川原 丈登主将にどんな「冬」にしたいか伺ったところ、「冬季練習は長いようであっという間。甲子園に出場してそこで勝つために、今しかできないことをやりきって圧倒的な力をつけたい」と語ってくれた。
心技体を成長させる冬に佐々木 悠人選手(稚内大谷高等学校)
ここからは、佐々木 悠人選手(2年・捕手)と山口 海斗選手(2年・三塁手)に伺います!
Q. この秋を振り返って、見つかった課題は何かありましたか?
佐々木:投げる、守る力と、あと体格の差は他チームに劣ると感じました。山口:自分も同じで、他チームより体が小さいことは気になりました。
Q. それを受けてこの冬はどんな冬にしたいと考えていますか?
佐々木:やっぱり身体作りを徹底的にして、パワーとスピードをつけたいと思います。山口:仲間と厳しい練習を乗り越えて、心技体を成長させる冬にします!
山口 海斗選手(稚内大谷高等学校)
Q. パワーアップを楽しみにしています!また、野球をする上でモットーにしている好きな言葉はありますか?
佐々木:「臥薪嘗胆」!山口:「覚悟は一瞬、後悔は一生」です!
Q. このチームの好きなところや、他には負けない!というところは何ですか?
佐々木:チームみんな仲が良いところは他に負けません。
山口:仲間の団結力はかなり良いと思います。Q. では最後に冬の熱い宣言をお願いします!
佐々木:打撃では、大事な時に一本出せるように。守備では安心感を与えられる捕手になります!
山口:打撃では大事な場面で一本を打てるように集中力をつけます。守備ではどんなに難しい打球が来ても確実にさばける内野手に成長したいです!佐々木 悠人選手、山口 海斗選手ありがとうございました!
「創意工夫」で北国の地を武器に!■本間 敬三監督に聞きました!
本間 敬三監督(稚内大谷高等学校)
Q. 新チームが始まってから、どんなテーマをもってチーム作りをされて来ましたか?
監督に就任してからは一貫して攻撃的なチーム作りをしてきましたが、この代のチームでは、選手たちの特徴に合わせ、エースの正岡と捕手の佐々木を中心に守備力に重点を置いたチーム作りに励んできました。守備イニングでの失点は最少失点に止めることと、そのためにはどういう守備隊形をしなければならないかということを、主に走者付きノックを通じて時間をかけて習得していきました。その観点で見ると、秋季大会準決勝の札幌日大戦では、1イニング2失点を2度献上してしまい、リズムを掴めないまま敗退してしまったのは反省点です。
Q. それを受けて、監督の考える冬のテーマは何でしょうか?
今冬は走り込み、振り込み、投げ込みによる徹底的なフィジカルアップを第一に考え、質より量を重視して練習に取り組みます。その中で、基礎基本動作を組み入れていきたいと思います。
我々は日本最北端の地で厳しい環境のため、約6か月間は室内練習場での練習になりますが、我々にしか取り組めないこともあると思います。決して北国のハンディと捉えず、創意工夫を凝らし、練習効果をどんどん上げていけたらと考えています。
Q. 最後にこれから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします!
目標:甲子園、目的:人間形成、部訓:練習はすべての不可能を可能にする。この三本柱で今後も前進していきましょう。計画的に自分の目標を設定し、みんなで切磋琢磨しながらお互いを高め合って下さい。「稚内から甲子園」「名寄支部から甲子園」を胸に!
本間監督、そして稚内大谷高校野球部の皆様ありがとうございました!