楽天の守護神・松井裕樹

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◆ 16年は序盤不調も立て直す

 西武からFA移籍した岸孝之、ソフトバンクからベテラン捕手の細川亨を獲得し、リーグ5位からの巻き返しを図る楽天。その中で“最強守護神”への道を歩む松井裕樹が、40セーブと4年ぶりのリーグ制覇を新シーズンの目標に掲げた。

 高卒4年目を迎える若き守護神。これまでのオフは毎年のように先発再転向プランが浮上していたが、今オフは岸やトレード移籍の小山雄輝(前巨人)らの加入もあってか、松井の転向案はここまで聞かれない。

 自身も契約更改の席で「40セーブと優勝のマウンドにいること」と抑えの続行を宣言。昨季は好不調の波が激しいシーズンとなったが、「連投、回跨ぎができる体作りをして、球数を減らしたい」と新シーズンのテーマを語った。

 2016年は春先に大量失点を喫する試合があり、一時は防御率が6点台まで悪化。それでもシーズン中盤からはしっかり立て直し、8月はリーグ最多の9セーブを挙げ入団3年目で初の月間MVPを受賞した。終わって見れば58試合に登板し、1勝4敗30セーブ、防御率3.32の成績。15年は63試合登板で、3勝2敗33セーブ、防御率0.87の好成績を残しており、球団初の2年連続30セーブを成し遂げた。

 昨季は史上最年少の20歳8カ月で通算50セーブに到達。プロ3年間で63セーブを積み重ね、100セーブ到達も時間の問題だ。

 前述の通り、楽天は岸、小山、細川らを招き入れバッテリーを強化。釜田佳直、安楽智大ら若手の先発候補も台頭しており、2017年はリードした場面での守護神投入が増えそうだ。

 松井は「第4回WBC」を控える侍ジャパンのメンバー候補でもあり、左腕投手が手薄な現況を考えれば追加招集される可能性は大いにある。2017年は若き左腕のフル稼働に期待したい。