2016年の大卒初任給は前年比0.7%増となる20万3400円で、過去最高額となったことが厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で分かった。

 2016年の初任給を学歴別にみると、大学院修士課程を修了した人は23万1400円(前年比1.3%増)、大学卒は20万3400円(同0.7%増)、高専・短大卒は17万6900円(同0.7%増)、高校卒16万1300円(同0.2%増)となった。

 全ての学歴で前年を上回り、大学卒、高専・短大卒、高校卒では過去最高となっている。

 大学卒の初任給を男女別にみると、男性が20万5900円(前年比0.7%増)、女性が20万円(同0.6%増)となっており、男女とも前年を上回った。

 大学卒の初任給を企業規模別にみると、常用労働者1000人以上の大企業では20万6900円(前年比0.8%増)、100〜999人の中企業では20万1100円(同増減なし)、10〜99人の小企業では19万9100円(同2.2%増)となった。

 大学卒の初任給を産業別にみると、「情報通信業」が最も高く21万2000円(前年比1.4%増)、次いで「建設業」21万200円(同0.2%増)、「生活関連サービス業・娯楽業」20万4800円(同1.5%増)が続いた。

【産業別 大学卒の初任給】
情報通信業 21万2000円(前年比1.4%増)
建設業   21万200円(同0.2%増)
生活関連サービス業・娯楽業 20万4800円(同1.5%増)
学術研究、専門・技術サービス業 20万4200円(同3.8%減)
卸売業・小売業 20万3800円(同1.1%増)
サービス業(他に分類されないもの) 20万3600円(同1.8%増)
金融業・保険業 20万2700円(同0.7%増)
製造業     20万2000円(同増減なし)
教育・学習支援業 20万600円(同0.6%増)
医療・福祉   19万6700円(同1.2%減)
運輸業・郵便業 19万2800円(同1.8%増)
宿泊業・飲食サービス業 19万1700円(同0.7%減)

 男女別では、男性は「建設業」(21万3200円)、女性は「情報通信業」(21万900円)が最も高い。

 最も低い産業は、男性が「宿泊業・飲食サービス業」(19万4100円)、女性が「運輸業・郵便業」(18万5200円)となっている。

 調査は、2016年7月に、2016年6月末日現在の状況について10人以上の常用労働者を雇用する民間の事業所のうち新規学卒者を採用し、初任給が確定している1万5308事業所を対象に集計した。