「耳なし芳一」の話はご存じだろう。小泉八雲の『怪談』で取り上げられた、日本の民話の一つだ。琵琶法師である芳一を平家の怨霊から身を守るために、般若心経を全身に写経するのだが、耳に書き写すのを忘れてしまう。怨霊はその耳だけを引きちぎって消えてしまうという話だ。

なんと、この怖い話「耳なし芳一」をモチーフとしたお菓子があるという。

「なまじリアルなだけに怖い」


その名も「ほういちの耳まんぢう」。パッケージには琵琶法師のイラストもデザインされている。そして箱の中には、耳をかたどったと思われるまんじゅうが8個。これ、もぎ取られた芳一の耳......?

この「耳まんぢう」がツイッターで話題になると、こんな反応が寄せられた。

「こえぇ!」「なまじリアルなだけに怖い」といった感想だ。

「いちじく味」が気になるという人もいるが、松江市島根町産のいちじくジャムが使用されているようだ。

ところでこの「ほういちの耳まんぢう」は、島根県立大学短期大学部の女子学生チーム「ゴーストみやげ研究所」が商品コンセプト、ネーミング、パッケージデザインなどを考案し、松江市にある中浦食品が協力して実現した商品だ。

白あんの中にいちじくジャムを入れ、ピンクの生地で包み、焼き上げたまんじゅう。8個入り600円(税別)。島根県物産観光館やシャミネ松江などで販売されている。

耳なし芳一のまんじゅうは、確かに怖かった。このへんで、濃いお茶も、怖い。