避難所運営をシミュレーション...静岡県発のテーブルゲーム「HUG」
静岡県危機管理部が開発した防災ゲーム、「避難所HUG」が、再度注目を集め始めている。避難所の運営を考える教材の1つとして2007年に開発されたものだ。果たしてどのようなものなのだろうか?
避難所運営を疑似体験
避難所運営という非日常を疑似体験できる
「避難所HUG」(Hは避難所、Uは運営、Gはゲームの頭文字)は、ゲーム形式をとることで参加者が自ら問題に対応し、マニュアルを読むだけでは想像できない部分を補えるという。
カードにはそれぞれ、避難者が持つ異なった事情が書かれている。それらのカードを、避難所に見立てた平面図にどう適切に配置し、発生する出来事にどう対応するかを参加者で協力して考え、判断することが基本になるゲームだ。カードの処理に制限時間を設けることで、実際の災害時により近い状況での判断力が問われる。
平面図や間取り図などはゲームに付属しているが、災害の際に実際に使われる避難所の敷地図や間取り図、名称を使うことで、より現実に即したシミュレーションが出来る。
実際に、2011年の東日本大震災では、事前に「避難所HUG」を経験したことで冷静な対応が出来た人もいたという。
平成28年度熊本地震が発生し、現在も多くの人が避難生活を送っている。避難訓練という受動的なものだけでなく、「避難所HUG」のように自発的に防災に関われるツールを通して備えることで、パニックになりがちな事態の中でも冷静に対応できるようになるかもしれない。
ゲームの詳しい遊び方や購入は、静岡県公式サイトから。