健康サービスにとっての場のデザイン/大川 耕平
顧客接点現場サービス現場での品質と効率をどうつくるか?
こんなテーマで数人のマネジャークラスの方々と議論してきました。
健康サービスビジネス事業で世界最大規模はウェイトウォッチャーズ(WW)の約1479億円(2014年)でミーティング拠点は4約5.000カ所。
日本においては女性だけの30分健康体操教室カーブス(CV)が1543店、66万人の会員数で、464億(2014年)を超えるパフォーマンスを実現しています。
この2つに共通するものは何だと思いますか?
それらを6つに整理してみました。今後の健康ウェルネスサービスの現場をどうデザインしていくか?のヒントになるはずです。
- 1)サービス現場の規模が小さい
WWの主要商品サービスであるグループミーティングはショッピングセンターのミーティングルームや公民館的な場所で開催されますし、CVはご存知の通り日本では元コンビになどの小さい店舗などの転用です。
- 2)拠点が多い
これは多くの理由があります。
ニーズが多い。
小規模で成立する経済合理性を有する。などが中心となります。
- 3)主要対象を女性としている
CVは女性専用です。WWは女性のウェイトは高いですが
近年男性も増加しています。
ここも注目ですね。
- 4)ローテク
どちらもサービス現場で用いるサービスプロセスはローテクです。
CVは油圧式簡易フィットネス機器であり、WWにいたっては教室と教材のみです。
ただ、WWのウェブサイトプログラムは急激な伸びを示しているのでハイテクや
ICTに無関心であるのではなくむしろ熱心です。
- 5)サービス現場は人海戦術対応
「人」が介入してサービスを創出することを前提にプロセスフローやビジネス全体が設計されています。
多くの企業が「人」が介入することを極力減らすことで効率化を最初から狙いサービスを設計するアプローチとは真逆だということにお気づきください。
そして最大の肝である6番目は
6)顧客にサービスプロセスの中で役割を持って参加してもらうこと
これを両社は見事に高いレベルで実践しています。
極端な表現をすると
- ●顧客がサポートしてくれる仕組み
- ●顧客が顧客を呼んできてくれる仕掛け
- ●顧客同士でサービス満足を相互につくって楽しんでいくプロセス設計
特にこの6番目を具現するコンセプトは
「Peer & together」ピアプレッシャーと一緒感覚でともに成長しようというマインド空間を現場進行プロセスの中に顧客参加を前提として構築するということになります。
サービス現場での参加者を含めた「場」をデザインしてしまうビジネスなのですね!
このビジネスモデルを構築し成功するには徹底的に「顧客を信じる」というスタンスが必須となります。
もちろん一筋縄では実現できないものです。
日本の健康ウエルネスサービスの現場が活き活きと輝き魅力的なビジネスとしても
発展する道筋はここにあると思うのです。