APPLE TO APPLE../泉本 行志
昨日も、そんな意思決定のミーティングに呼ばれ、
参加してきました。
内容は、建設系の数十億規模の案件だったのですが、
そのプロジェクトリーダーのプレゼン資料を見た瞬間、
「これApple to Appleでないでしょ」と直感的に気づきました。
詳しい話はできませんが、4つのオプションそれぞれの
毎年のオペレーションコストを比較した表だけが提示され、
それによって順位づけされていました。
しかし、これではオプションの中には土地を購入して建設する場合と
そうでない場合のパターンがあり、オペレーションコストだけで比較すると、
減価償却費のない土地への投資額が加味されなくなってしまいます。
前提条件が違うもの同士を比較していて、
よくあるApple to Appleでない例は、
・期間の長さが違うもの同士(ex.売上高)を比較
・取扱い商品が異なる地域同士(ex.利益率)を比較
・構成要素が異なる原価同士を比較
などなど。
重要な前提条件が異なっているもの同士を、
そのまま単純比較しても意味がありません。
でもこういった比較は、よく見かけます。
前提条件が異なるものを比較することを、
“Apple to Orange” といったりします。
何かを比較する場面では、、
「今比較しているものは、本当にApple to Appleになっている?
Apple to Orange になっていないか?」
前提条件に強く意識を向ける必要があります。
もちろん、実際のビジネスの現場では、
どうしても情報がなくて、Apple to Appleで比較できないときもあります。
できない場合は、その前提を明記した上で、ある想定と置いて
比較することになります。
基礎的なことですが、このポイントを外してしまうと、
せっかくいろいろ調査して有益な情報を収集しているのに、
Apple to Appleでない比較を1つやってしまうことで、
レポート全体の信頼を失ってしまうことにもなります。
何かを比較するなら、
Apple to Appleを強く意識しましょう。