安定した戦いぶりを続けて第2ステージ優勝と年間勝点1位に輝いたサンフレッチェには、拍手を送りたいね。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 J1の第2ステージが終わり、年間順位が決定したね。最終節ではサンフレッチェが、ドウグラスのハットトリックと佐藤、青山のゴールでベルマーレに快勝した。この勝利で第2ステージ優勝を決めるとともに、年間順位でも1位を確保。12月に行なわれるチャンピオンシップ決勝への出場権を獲得した。

 サンフレッチェは、シーズンをとおして安定した戦いぶりを見せていたし、なによりストライカーの活躍が素晴らしかったよ。新加入のドウグラスは、フロンターレの大久保に次ぐ得点ランク2位だ。上手く補強がハマったね。彼らが積み上げた勝点74は、34試合での歴代最多勝点だそうだ。サンフレッチェの健闘には拍手を送りたいよ。
 
 他の上位陣を見ると、2位はレッズで、3位はガンバ。チャンピオンシップに出場するのは、サンフレッチェを含めた3チームになった。まあ、予想どおりだね。ガンバは最終節でFC東京を抜いて逆転でチャンピオンシップを決めたけど、両チームの力を考えると、収まるところに収まったという印象だ。
 
 最終節で4位に落ちたFC東京は、戦い方が足を引っ張ったよね。鳥栖に勝てば文句なしでチャンピオンシップ出場の権利を得られたのに、スコアレスドローだったんだ。今季のFC東京は、守ってしのぐ試合が多く、攻撃の形を上手く作れなかった。ゴールもPKやセットプレーがメイン。それが最終節で響いたんだ。

 対してガンバは攻撃的な色が強く、最終節でも4ゴールを奪っている。最終的に得失点差の争いでガンバが3位を決めた事実からも分かるように、得点力の差が順位に反映されたということだよ。
 これからチャンピオンシップが始まるけど、サンフレッチェの選手たちは気の毒だよ。年間勝点で1位になったのにも関わらず、ホーム&アウェーのチャンピオンシップで負けたら“王者”と名乗れないんだ。

 リーグ戦の後に、チャンピオンを決めるプレーオフをやっている国なんて、世界中見てもほとんどない。選手たちは世界へ羽ばたいて行っているのに、国内リーグがドメスティック路線を走るのはいかがなものかな。これでサンフレッチェが優勝できなかったら、ファンやサポーターはしらけてしまうよ。

 サンフレッチェの佐藤が、中山が持つJ1歴代最多記録の157得点に並んだのも大きなニュースだったね。ただ、彼の記録も偉大だけど、より評価すべきなのは大久保の3年連続得点王だ。厳しいマークを受けながら、3年連続で得点王を獲得するのは簡単ではないよ。これは、中山や三浦知、そして佐藤も成し得なかった偉業だからね。

 すでに、J1で156ゴールを挙げている大久保は、来年には佐藤と中山の記録を塗り替えるだろう。そんな選手がハリルホジッチ監督に呼ばれないのは、なんとも皮肉な話だよ。

 J2に落ちたのは、山形と清水、そして松本の3チームだけど、これも予想できたこと。3チーム中2チームが昇格組だし、清水も昨シーズンに残留争いを演じたチームだ。今年J2から上がってくるのも昨シーズンに降格したアルディージャだし、なんとも代わり映えしないね。いつも同じようなチームが昇降格を繰り返している。これでは、Jリーグのレベルアップにつながらないんじゃないかな。

 やっぱり、J1を18クラブで運営するのは、数が多すぎるんだろう。だから、選手が散らばってサッカーの質が上がっていかない。J1を12チームくらいにして、良い選手がトップクラブに集るようになれば、それだけレベルの高い戦いになる。観ているファンやサポーターの満足度も上がるし、選手たちも切磋琢磨して個々の質も上がるはずなんだ。

 なにも、どこかのクラブが潰れろという話をしているんじゃないよ。良い選手を作る土壌ができていないのに、トップリーグのクラブ数だけが多くても意味がないと言いたいんだ。

 加盟クラブ数を増やして、裾野を広げる拡大路線は頭打ちになっているよね。だったら、トップリーグのステータスを上げて、発展につなげるのもひとつの道なんじゃないかな。

 Jリーグは来季で24年目を迎えるけど、発足した頃の勢いはないし、最近は中国リーグにあらゆる意味で水を開けられている。このままでは、サッカーの質や人気は低下していくばかりだ。

 Jリーグのお偉方は、もっと真剣に未来を考えるべきだよね。やれチャンピオンシップだ、やれプレーオフだと言って興行を打つよりも、もっと先にやることはあるよ。