熊谷商vs大宮南
熊谷商 エース 水野
シルバーウィーク中日ということで、多くの観客が足を運んだ越谷市民球場。第57回選抜高等学校野球大会（1985年）以来の全国大会出場を目指す熊谷商と、ブラスバンドがスタンドを盛り上げる大宮南がぶつかる、埼玉県秋季高等学校野球大会二回戦が行われた。
試合が動いたのは、3回裏の熊谷商の攻撃であった。7番森元が左安打で出塁し、8番田島が凡退、9番雨宮がポテンヒットを放つことで、一死一、二塁のチャンスを熊谷商が作る。続く1番鈴木は三振に倒れるも、2番三浦が左安打を放つことで、2塁走者森元が生還。1対0と、熊谷商が先制に成功した。
しかし、大宮南もすぐに追いつく。4回表には、敵失で出塁した2番福島が、3番井上の内野ゴロの間に二塁まで到達。さらに、福島は果敢に三盗を決め、最後は5番伊藤が敵失を誘う痛烈な三塁ゴロを放つことで、大宮南が同点に追いつくことに成功した。
このまま試合は、接戦となるかと思われたが、4回裏から熊谷商の猛攻が始まった。4回裏の熊谷商の攻撃は、4番伊藤から始まる。伊藤は四球を選ぶと、5番篠田が犠打で送り、6番藤井は凡退となる。二死二塁となった場面から、7番森元が四球、8番田島が適時二塁打を放ち、1点を追加。さらに、9番雨宮が再びポテンヒットを放つことで走者二人が生還。この回、3点を挙げた熊谷商が4対1と点差を広げた。
5回裏には、先頭2番三浦が敵失で出塁し、3番水野が右安打で続くことで、無視一、三塁のチャンスを作る。迎えた4番伊藤の打球は、大宮南セカンド松矢の元へ転がり、松矢は迷わず本塁に送球。クロスプレーとなるも走者三浦がうまく足を入れ、判定はセーフ。熊谷商が1点を追加した。続く、5番篠田は、左適時二塁打を放ち、さらに1点を追加。しかし、状況はまだ無死二、三塁。続く6番藤井の一塁ゴロの間に、1点を追加し、最後は、7番森元が適時二塁打を放つことで、もう1点。この回4点を追加した熊谷商は、8対1と大宮南を一気に突き放した。
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熊谷商 スライディングで生還
コールド負けは避けたい大宮南は、6回表に、先頭打者9番新井が敵失から二塁まで進塁。1番松矢が犠打で送り、一死三塁となるも、2番福島のサードゴロで本塁刺殺となり、チャンスをものにできない。しかし、一塁走者福島は、二盗を成功させ、さらに三盗をも試みる。ここで、熊谷商捕手藤井の送球が大きく逸れ、その間に福島が生還。積極的な走塁からミスを誘い、大宮南が1点を返すことに成功した。7回表にも、大宮南は、足を絡めた攻めを見せ、一死二、三塁のチャンスを作るも、ここでは得点できず。
スコアを8対2として迎えた7回裏の熊谷商の攻撃。4番伊藤が左越え二塁打でチャンスを作ると、5番篠田が犠打で送り、一死三塁。最後は6番藤井が、レフトの頭上を越える適時打を放ち、1点を追加。9対2と7点差となったことで、熊谷商が大宮南を7回コールドで下した。
2得点ともに、盗塁を絡めての得点となった大宮南は、足を使った攻撃から相手を崩す攻撃スタイルで熊谷商を攻めた。一方の熊谷商は、パンチ力のある打線で大宮南を押し切った展開となった。
隙あらば走るという大宮南の攻撃に、頭を悩ませた熊谷商であったが、この経験はこの先の戦いの糧となるにちがいない。勝った熊谷商は、三回戦で春季大会決勝進出（試合レポート）の強豪川越東との対戦となる。
（文＝高校野球ドットコム編集部）
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