西武台vs春日部東
11回完投勝利の西武台エース 唐沢
越谷市民球場を会場として行われた埼玉県秋季高等学校野球大会二回戦。第60回記念選抜高等学校野球大会（1998年）以来の選抜出場を目指す西武台と、この夏は4回戦敗退（試合レポート）の春日部東が戦った。
試合は、延長戦までもつれ込む緊迫した展開となった。
まず立ち上がりは、両チームランナーを出すも得点はできず。そのまま、序盤はテンポの良い投手戦となった。両チームの先発は左腕。西武台先発の唐沢は緩急をうまく使い、ランナーを出しながらも連打は許さない投球を見せる。一方で、春日部東の先発舟橋はコントロールが良く、打者が嫌がるゾーンを突き、凡打の山を築いた。
試合が動いたのは、4回裏の春日部東の攻撃。この回先頭の3番土屋が振り逃げで出塁すると、続く齋藤（真）は凡退するも、5番橋本が四球を選ぶ。そして、迎えた6番小林が三塁線を破る適時二塁打を放ち、春日部東が先制に成功する。さらに、7番舟橋が犠飛を放つことで1点を追加。4回終わって2対0と春日部東がリードする展開となった。
西武台が反撃を開始したのは終盤7回表。一死となった場面から、4番増田が反撃の狼煙となる三塁打を放つ。さらに、5番佐々木が左適時二塁打を放ち、1点を返すことに成功。二本の長打で西武台が2対1と、1点差に迫った。
そして、西武台の同点劇は8回表に待っていた。先頭打者の代打の中が死球で出塁することに成功すると、連続犠打で三塁まで進めることに成功。続く3番金澤が放った打球は、レフトフライとなるも飛距離は十分。タッチアップで三塁走者が還ることで、2対2と土壇場で試合を振り出しに戻した。
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春日部東 先発 舟橋
しかし、春日部東も黙ってはいない。9回裏には、5番橋本、6番小林の連打で一死一、三塁のチャンスを作る。あわやサヨナラかと思われたが、ここは、後続を三振、レフトフライに打ち取った西武台エース唐沢に軍配があがる。そして、このピンチを脱した西武台には、勢いがついた。
延長10回表には、西武台が二死二、三塁のチャンスを作り、打席には4番増田を迎える。しかし、春日部東バッテリーが4番増田を敬遠し、5番佐々木を打ち取られて攻撃が終了。ピンチを脱した春日部東に流れが移るかと思われたが、その裏、西武台エース唐沢は力投をみせ、春日部東打線を三者凡退に抑ええることで、春日部東の勢いを断つことに成功。
テンポの良い守りから、11回表の攻撃へつなげた西武台は、エース唐沢からの打順。その唐沢が右中間を破る三塁打を放ち、7番村岸が凡退した後、8番渡邉が右適時打を放つことで、接戦の均衡を西武台が破った。その後は、2番榎本が左適時打を放ち、この回2点を追加。4対2とこの日初めて西武台がリードを作った。
その裏も、エース唐沢が三人で締める快投をみせ勝負あり。接戦を制し、西武台が三回戦へと駒を進めた。
勝った西武台は、9月23日に大宮東と対戦する。
（文＝高校野球ドットコム編集部）
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