専大松戸vs我孫子
3打席連続犠飛の丸茂弘汰（専大松戸）
甲子園出場の専大松戸が登場。これが初の公式戦となる。我孫子は代表決定戦から1か月も遠ざかっているとはいえ、公式戦を経験している。試合序盤は我孫子に勢いがあった。
1回表、一死二塁から3番新津裕矢（2年）の適時二塁打で1点を先制。だが専大松戸はすかさず4番丸茂 弘汰（2年）の犠飛で1対1の同点に追いつく。さらに3回裏、一死一塁から川添 雄晴（2年）の右前安打で、一死一、三塁のチャンスを作ると4番丸茂の犠飛で勝ち越したが、4回表、我孫子は二死から5番石川竜馬（2年）の同点本塁打で追いつく。さらに我孫子は5回表、先頭打者の渡辺涼太郎（1年）が安打で出塁し、ここで専大松戸はバッテリーごと交代。さらに盗塁を仕掛け、バッテリーミスで三塁へ。8番小川幹矢（2年）が歩くと、9番小池が浅い左飛に終わったが、堀田成剛（2年）の適時打で勝ち越しに成功する。
だが専大松戸は6回裏、4番丸茂の3打席連続となる犠飛で同点に追いつく。去年から試合に出場している選手だが、打球の速さ、打者としての将来性の高さは、原 嵩、渡辺 大樹より上回ると感じていたが、出場機会が少なく、恵まれた長打力が開花するのは秋以降と見ていた。この試合を振り返るとどっしりとした構えから、左足をゆったりと上げて、真っ直ぐ踏み出し、トップを深く取ってから、インパクトまで内回りでスイングが出ているのも好感。打球の上り方、角度の高さを見ると、非凡な素質を持ったスラッガーであることは間違いない。今後、厳しい戦いの中で、実績を積み重ねていけるか。
将来的には園部 聡（聖光学院-オリックス）のような巧さと強さを兼ね備えた強打者に育つ可能性を持っているだろう。
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勝ち越し本塁打を放った寺元啓介（専大松戸）
そして7回裏、専大松戸は二死二塁となって1番寺元 啓介（2年）が左越え本塁打。前チームでは守備力の高さが光っていた選手であったが、だいぶ体つきも逞しくなり、さらにスイング軌道を見るとフォロスルーも大きくなった。本塁打を打ったのはそういう肉体的な成長、技術的な成長が大きいだろう。そして2番伊藤が二塁打を放ち、さらに3番川添の適時打で6対3と差を広げる。
そして投げては5回途中から投げた小堺友貴（1年）が守り抜き、苦しい初戦を突破した。まだ初めての公式戦ということもあって、手探りな感じはあったが、前チームから経験している寺元や川添、丸茂がしっかりとカバーする活躍を見せた。
今後の公式戦を積み重ねる中で、どれだけ選手が成長できるか。前回のチームと比較されることは多くなるかもしれない。だがその声に惑わされることなく、寺元主将の下、今年はどんなチームになっていくか楽しみだ。
敗れた我孫子は各打者のスイングがコンパクトで、打球が鋭い。そして守備力も盗塁阻止や飛び出した一塁走者を刺すなど強肩を披露した大塚友也（2年）、自慢の強肩で2回裏に捕殺を記録し、シュアな打撃を見せた渡辺、パンチ力溢れるスイングで本塁打を放った5番石川など野手陣の能力は高く、一冬越せば、私学相手に番狂わせを起こすチームになっていてもおかしくない潜在能力を持ったチームであった。
（文＝河嶋 宗一）
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