綾瀬vs相模原中等
この日11奪三振エース五十嵐（綾瀬）
夏の残暑が厳しく、日陰にいなければ汗が垂れる気温の中、大和スタジアムにて、秋季神奈川県大会北相地区予選Eブロックリーグ戦が行われた。共に1勝1敗で、本戦出場最後の椅子をかけて、綾瀬と相模原中等が激突。
試合は、点差は開いたものの、両チームの意地と意地がぶつかる激闘となった。
先に仕掛けたのは綾瀬。綾瀬は1回表に2本の安打と四球で満塁のチャンスを作るも、相模原中等先発五十嵐が踏ん張り、0点に押さえられる。相模原中等ベンチからは、「満塁抑えたから流れがあるぞ！」と前向きな言葉が飛び、続く裏の攻撃へ進む。
しかし、相模原中等は綾瀬先発・五十嵐を打ち崩すことができない。綾瀬先発五十嵐は、オーバースローから角度のある直球を投げる左腕であり、相模原中等打線のバットは空を切る。初回を2奪三振を含む三者凡退で抑えた綾瀬はなんとか流れを引き戻す。
試合が大きく動いたのは4回表の綾瀬の攻撃。先頭打者は凡退するも、7番五十嵐、8番北山の2連打からチャンスは生まる。9番荒木が犠打で送ることを試みると、敵失から2塁走者五十嵐が生還。三塁を狙った1塁走者北山は三塁でアウトとなり二死一塁となると、その後は1番関本、2番石塚、3番沢柳の三連打で2点を追加。しかし、ここで相模原中等にアクシデントが。4番渡邉の打球が先発・五十嵐の右太ももに直撃。その間に走者が還り、1点を追加する綾瀬。投手強襲を受けた五十嵐は、大事には至らず後続を三振としてこの回を終えることとなった。
綾瀬がさらなる追加点を挙げたのは6回表。1番関本の右安打と犠打、四球から二死一二塁のチャンスを作ると、4番渡邉が左適時打を放ち1点を追加。さらにバッテリーエラーで1点を追加し、6対0とリードを広げた。
追いつきたい相模原中等は、8回裏にようやく大きなチャンスを作ることに成功する。先頭加藤が四球で出塁し、1番村田が内野安打、後続は凡退に終わり二死一、二塁となる。ここで、4番大塚のあたりが内野安打となり、その間に二塁走者が生還。相模原中等が執念の1点を返し、反撃の狼煙を挙げるも反撃はここまで。6対1で綾瀬が本線出場の最後の切符を手にした。
相模原中等は、アクシデントがありながらも、チームワークで最後まで戦い抜いた。中学入学から6年制の学校となっているため、今のチームで過ごす時間は4年以上と、他のチームよりも長くなっている相模原中等。そのチームワークから、投手五十嵐を中心に戦い抜いた秋となった。一方の綾瀬は、投手五十嵐の力投、打線のつながりで今回の勝利を得た。五十嵐は、9回を投げ抜き、奪った三振は11。伸びのあるストレートにさらなる磨きをかければ、より怖い投手となる。
本戦は9月5日から始まる。投手五十嵐を中心として、どう試合を展開していくか楽しみなチームである。
（文＝高校野球ドットコム編集部）
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