高知、代役指揮官による「主義主張」

高知先発・吉村 大輝（2年）

　島田 達二監督がU-18侍ジャパンコーチとして地元開催の「第27回WBSC・U-18ベースボールワールドカップ」参加中のため、今大会では副部長の西村 雅仁氏が代理監督を務める高知。4回裏にはドラッグバント・エンドラン・スクイズ・ホームスチールを仕掛けるなど、あらゆる手を使って勝利を目指した高知農に対し快勝を収めたこの一戦では、代役指揮官とは思えない主義主張がそこかしこに見えた。

　一例をあげれば投手起用。春季県大会以来の公式戦登板となった先発・吉村 大輝（2年・172センチ68キロ・右投右打・高知中出身）は初回に2点を失うなど本調子とは程遠い出来だったが、「こんな試合にしたんだから、最後まで責任を持て」と完投を指令。111球・被安打8・奪三振5・与四死球1・2失点（自責点0）で久々の公式戦完投で自信を与えると同時に、夏前には最速138キロをマークした谷脇 瑞基（2年・右投右打・186センチ72キロ・土佐清水市立清水中出身）の温存にも成功した。

「谷脇は次の試合で投げさせようかと思っています」とニッコリ笑顔の西村代理監督。指揮官に加え、バルセロナ五輪日本代表・今年の都市対抗では優勝を果たした日本生命・十河 章浩監督の次男・友暢（2年・遊撃手・168センチ72キロ・右投右打・高知中出身）も腰痛で欠く高知にあっても、今大会指揮官は代理を超えた存在感を放っている。

（文＝寺下 友徳）

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