両校「総入れ替え」後のチーム作り中

2回裏に満塁アーチの高知中央4番・三山 吾郎（1年・一塁手）

　試合は2回裏に4番・三山 吾郎（1年・一塁手・右投右打・185センチ78キロ・尼崎ボーイズ＜兵庫＞出身）の大会第1号グランドスラムなど6安打5四死球で打者15人を送り込み10点を奪った高知中央の圧勝。ただ、試合は両校ともに「難しさ」を抱えた試合となった。

　高知工は夏の高知大会を終えた後、4月に高岡から異動し副部長職にあった高橋 司氏が新監督に就任。昨春の高知県大会では高岡・窪川・中村高校西土佐分校・城山連合チームを監督として率いてベスト4進出の実績はあるとはいえ、今大会では徹底事項の浸透不足がそのまま10失点になって現れた形だった。

　一方、勝った高知中央も別種の悩みがある。「今はネットスローとブルペンピッチングを交互に繰り返しています」と爽やかな笑顔で話すドラフト候補左腕・日隈 ジュリアス（左投左打・184センチ74キロ・大矢ベースボールクラブ＜ヤングリーグ・沖縄＞出身）をはじめ、旧チームの主力選手は全員3年生。ベンチ入りも5番捕手の今岡 大空（174センチ74キロ・右投左打・サウスウインド＜ヤングリーグ・大阪＞出身）1名のみ。実際、試合中も連携不足が多々見られた。

「10対0とかで圧勝できるチームではない。点は取られるチームなので試合が終わった時に1点勝っていればいい」高知中央・河内 紘宇監督の試合後コメントもうなずける。

　形は違うとはいえ、「総入れ替え」の両チーム。今後、ここからどのような変化と成長を見せるか、今はそっと見守りたい。

（文＝寺下 友徳）

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