春から夏にかけては、シロアリの活動が活発になる季節。羽アリの群飛のピークは4月〜7月に見られるが、群飛は求愛行動といわれ、そのシーズンを越えた後は、巣作りや産卵が活発に行われている。

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 春から夏にかけては、シロアリの活動が活発になる季節。羽アリの群飛のピークは4月〜7月に見られるが、群飛は求愛行動といわれ、そのシーズンを越えた後は、巣作りや産卵が活発に行われている。シロアリがいったん巣を作ってしまうと1千数百個の卵を産み続けるとされ、1組のつがいから爆発的な発生につながる。シロアリの被害は、古くなった木造住宅だけと考えがちだが、シロアリはコンクリートのひび割れからも侵入するので、どの地域のどんな家屋でもシロアリ被害の可能性はある。新築時の防除処理の薬剤の効果は約5年で、5年を過ぎると被害発生の可能性は大きくなる。「家の中で羽アリを見かけた」など気になる兆候がある場合は、一度プロの目で点検してもらうことも検討したい。ダスキンは、シロアリ被害の有無などを無料診断している。写真はダスキンのシロアリ診断より。

 木材をエサにするシロアリは、木材の中だけに住んでいるイメージがあるが、実際は、通常の黒アリと同じく多くは土の中に巣があり、そこを拠点に活動をしている。このため、自宅の庭に巣がなくても、隣の家の庭や公園に巣があれば、危険度は同じ。風や光を嫌うシロアリは、人目を避けて行動しているため、分からないうちに被害が進んでいるというのが一般的だ。

 シロアリは、種類によって数万匹〜100万匹ほどで生活する。1匹みかけたら100万匹いる可能性があるといわれる。そして、100万匹のシロアリが食べる木材の量は、1日あたり70g。シロアリに巣を作られてしまった家屋は、徐々に木材が食い荒らされて、改築や建て替え等に発展するケースも珍しくない。

 シロアリ発生地域は、温暖湿潤地域である、九州、四国、近畿南部が、被害発生率が高いというイメージだが、国土交通省の補助を受けて実施された全国調査の「シロアリ被害実態調査報告書」によると、シロアリ被害は全国で確認されており、地域差はあまりない。また、同調査では築5年以内の物件でシロアリ被害が確認された事例はなかったが、過去6年以内に駆除履歴のある物件については再発率が高いという結果が出ている。

 実際にシロアリ被害にあいやすい家とは、「新築から5年以上、または前回の薬剤散布から5年以上が経過している」、「樹木の添え木や木の柵が建物の近くにある」、「エアコンの室外機や雨どいの水が直接地面に流れている」、「木の塀、ポーチ、ウッドデッキ等がある」、「地面に接している建材がある」などの物件といわれる。

 また、以下のような不具合等がある場合は、シロアリ被害を考慮した方が良い。「ドアの閉まりが悪くなってきた」、「畳・床にすきま、きしみがある」、「通気口、基礎、外壁にひびがある」、「雨漏り、しみがある」、「壁紙にはがれ、黒ずみ、雨漏り、しみがある」、「お風呂の入り口が腐っている、または、カビがある」、「玄関の柱が腐っている」、「家の近くで羽アリを見かけたことがある」、「近所でシロアリを駆除している」など。

掃除用品レンタルやハウスクリーニングの提供で有名なダスキンは、シロアリや害虫対策でも実績が高い。ダスキンのシロアリ無料診断は、シロアリ診断のプロが、家屋のシロアリ被害の有無や可能性を徹底的にチェックする。およそ1時間で、外まわり、床上、玄関、床下のシロアリの被害を診断。また、床下の湿度も測って報告する。診断は無料。また、シロアリ被害が確認された場合は、駆除サービスの見積りも無料で行い、各家庭の事情を考慮した駆除方法を、はっきりとした料金を示して提案している。

 たとえば、「ベイト工法」は、シロアリが好んで食べるベイト剤(エサ状の薬剤)を専用容器(ステーション)に入れて家の周囲に埋設し、巣に持ち帰らせて撃退する工法。少量の薬剤で駆除・管理するため、赤ちゃんやペットがいて、薬剤散布が気になる場合に採用されるケースが多い。定期的な点検で管理を行っていく。

 また、今すぐ撃退したい場合は、「バリア工法」という方法がある。安全性に配慮したニオイの少ない薬剤を、床下へ直接散布してシロアリを駆除する方法で、薬剤のバリア効果でシロアリの侵入も防ぐ効果がある。

 さらに、風を嫌い、湿気を好むシロアリを遠ざけておくために、「床下換気システム」を導入することも対策のひとつ。ダスキンは、様々な床下に合わせた換気システムを用意している。床下換気はシロアリだけでなく、腐朽菌対策にもなるので、自宅を長く大切に使っていきたい場合に活用されているという。(編集担当:風間浩)