10月6日から「緑モス」限定で発売される「ニッポンのバーガー匠味」。(撮影:東雲吾衣)

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モスバーガーを展開するモスフードサービス<8153>は27日、これまでの「匠味(たくみ)」シリーズの販売を終了し、新たな「匠味」2品を10月6日から発売すると発表した。同シリーズは高価格商品として年間160万食を売り上げたが、新商品への転換で、中間価格帯としての商品の定着を目指す。

 新たに発売されるのは「ニッポンのバーガー匠味」(税込み580円)、「ニッポンのバーガー匠味チーズ」(同640円)の2品。同社が、レストランのようなメニュー品質やサービスを目指し、全国で約800店舗(2006年8月末現在)を展開する「緑モス」限定の販売となる。これまでの「匠味」シリーズ610円〜1000円に比べ、値ごろ感や食べやすさを打ち出しているという。

 新商品の特徴は、使用する食材がパテ(ハンバーグ)、ブレッド、オニオンスライス、マスタードの4品目のみというシンプルな点。既存のハンバーガーに比べ約2倍の牛肉を使い、ボリューム感のあるパティに仕上げた。また、ブレッドについてもトマトと胚芽を練り込んだパンを使用するなどして、肉の味を生かすを工夫を凝らした。デミグラスソースとしょうゆソースが添えられており、好みによって、注文を受けてからすり下ろすという本わさび(別売り100円)をトッピングできる。

 同日開いた会見で、モスフードサービスの田村茂取締役上級執行役員CCOは「これまでの匠味シリーズは、こだわり抜いて豪華になりすぎた。『モスは高い』というイメージから、方向転換を図る商品として投入する」と新シリーズの戦略について説明。これまでの「匠味」シリーズより2分ほど提供時間を短縮し、提供側の負担も軽減できるという。今後は、20代〜30代女性をメーンターゲットに据え、年間で480万食、売り上げ構成比4%程度を目指す。【了】