インターネットや携帯電話のメール同時配信システムなどを活用して、地域の児童らの安全を守る取り組み例が報告された「地域安心安全情報ネットワーク事例報告会」(撮影:宗宮隆浩)

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児童を狙った凶悪犯罪が相次ぐ中、インターネットや携帯電話を使って地域の子どもたちの安全を守る仕組みを探る「地域安心安全情報ネットワーク事例報告会」(総務省、地方自治情報センター主催)が20日、東京都千代田区の全国町村議員会館であった。各自治体の担当者が、メール同時配信システムなどを利用して地域で防犯情報を共有する取り組み例を紹介した。

 同省と同センターは昨年度から、オンラインを利用した地域安全システムの開発に取り組んでいる。同システムは、各自治体が警察、消防と連携して、学校、PTA、地域住民らと情報を共有化するもので、昨年度は全国の20自治体、今年度は29自治体がシステム実証実験に参加。昨年参加した20自治体は、1年間の実験期間を終え、本格運用を始めている。

 報告会には、地方自治体職員や民間事業者など約200人が出席。栃木県岩舟町、千葉県市川市、愛知県春日井市と山梨県富士河口湖町の4自治体がそれぞれの活動事例を発表した。

 栃木県岩舟町は、同町企画課の永島勝主幹が説明。女児が狙われた地域の不審者情報の配信事例や、警察から直接、登録した住民へ防犯情報を配信する取り組みについて紹介した。また、カメラ付き携帯電話で読み取るだけでサイトにつながるバーコードの一種「QRコード」の活用例にも触れた。同町では、町内42カ所のカーブミラーにQRコード取り付けており、「携帯電話でQRコードを読み取れば間単に災害本部につながる。だから災害時に、町職員らが町内の被害状況を撮影して送れば、災害状況の把握に役立つ」と可能性を語っていた。

 また、課題としては、縦割り行政の弊害で「だれかが送るだろう」と情報配信が遅れがちになることや、住民からの地域情報の書き込みが意外に少ないことなどを挙げた。【了】

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