「スーパーインテリジェント触媒」の説明をするダイハツの中窪民郎常務(撮影:佐谷恭)

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ダイハツ工業<7262>は6日、技術説明会を東京都千代田区の大手町ファーストスクエアで開き、ガソリン自動車用触媒に使用される貴金属に自己再生機能を与え、排出ガス浄化性能の劣化を防止する「スーパーインテリジェント触媒」を開発したと発表した。日本原子力研究開発機構、キャタラー、北興化学工業<4992>と共同で開発した。

 ガソリン自動車用触媒に使用する金属はパラジウム、白金、ロジウムの3種類。同社は02年に「インテリジェント触媒」を実用化し、パラジウムに自己再生機能を持たせて、使用量の大幅削減を実現した。同触媒を搭載した車両は05年9月末までに、150万台を突破したという。

 「スーパーインテリジェント触媒」は、一般の自動車用触媒より75%、「インテリジェント触媒」より50%貴金属の使用量が少なく、触媒コストを削減できる。触媒コストの削減はクリーン自動車普及を加速させる可能性がある。

 自動車用触媒はエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)など有害なガスを酸化・還元し、無害な水、二酸化炭酸、窒素、酸素に変える働きを持つ。

 一般の自動車用触媒では、触媒中の貴金属は浄化作業を繰り返すと、粒子が結合して肥大化し、表面積が小さくなり、浄化機能が低下する。このため、ほとんどの自動車用触媒は劣化することを前提に、大量の貴金属を触媒に使用している。「スーパーインテリジェント触媒」では、白金やロジウムを金属イオンにして酸素イオンと結合させ、ペロブスカイト型結晶を持つセラミックにし、状況に応じて金属イオンが結晶に出入りすることで、粒子の結合を防ぐため、浄化性能を少量の貴金属で持続させられるという。【了】

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