VAIO Phoneはバンド6非対応!?格安スマホに潜む「通信バンド非対応」だとなにがいけないのか?

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ソニーより独立したバイオがデザインを監修し、日本通信が投入する「VAIO Phone」が3月20日に発売された。
セット販売専用モデルとしてスマホ本体だけの単体販売はされないが、一括販売価格が51,000円と格安スマホの中でも高価なことが話題にもなった。さらに同日よりソニーからはXperiaのSIMフリーモデルが登場するなど、なかなか前途多難なスタートを切っている。

そんな中、さらに大きな話題が一つ起こっている。

●日本通信公式アカウントが認めた?「VAIO Phoneはバンド6非対応」
それはTwitter上で起こった、ユーザーと日本通信公式アカウントとのやりとりだ。

そのやりとりで、
(VAIO Phoneは)「W-CDMA バンド6の周波数には対応をしていません。」

と返答していることだ。

そもそも、バンド6に対応していないというのはどういうことだろう。

日本を含む世界の携帯電話は、「バンド」と呼ばれる周波数帯別に通信ができるようになっている。
各国での契約は必要だが、通信方式とバンド帯が一致することで国が違っても同じスマホで通信ができるのだ。

そのため、日本で購入したSIMフリースマホでも、海外のSIMカードを装着すればその国で通信を利用できるというわけだ。
それでは、「バンド 6」というものはどういうものか。

●郊外で通話を行うのに大事な「バンド 6」
VAIO Phoneに差し込む日本通信のSIMカードの通信網自体はドコモのネットワークである。
ドコモでは、以下の周波数帯(バンド)を利用している。
・LTE
バンド1 … もっとも広いエリアをカバーしている周波数帯
バンド3 … 東名阪を中心に高速な通信ができる周波数帯
バンド19 … 山間部に強い周波数帯
バンド21 … 都市部に存在する周波数帯
バンド28 … 2015年展開開始

・W-CDMA
バンド1 … W-CDMAでも中心的な周波数帯
バンド6 … 地方などでの通話・通信を担う場合が多い(FOMAプラスエリア)
バンド9 … 東名阪中心の周波数帯
バンド19 … 都市部で通話・通信を担う場合が多い

ざっくり分けると以上のようになる。

現在のスマホは、LTEを中心に利用するため、通常はLTEバンド1、3、19をカバーしていると不満なく利用できる。
しかしながら、通話に関してはドコモの音声定額対応の最新モデル以外はW-CDMA(3G)を利用する。このため、W-CDMAのバンド1、6あたりをカバーしていないと通話エリア外になる可能性があるのだ。

また、同じようなバンドで19というものがあるが、こちらはバンド6をスマホ側で対応しているのが条件となる。したがって、地方での通話に関してはバンド6対応が需要となるのだ。
そこで、今回話題となっている「VAIO Phone」は、Twitterでの日本通信公式アカウントによるとバンド6非対応という情報が出ているのだ。

地方で通信できるものの、通話をしにくい可能性が残る。
それでは、SIMフリースマホを購入する上で何を注意すれば良いのだろう。

●ドコモの通信網を利用するSIMフリースマホで覚えておきたい対応バンド
一部の格安SIMをのぞき、現在販売されている格安SIMの大半はドコモの通信網を利用する。
したがって、それを入れるスマホにもドコモの通信網バンドに対応したモデルを選ぶ必要がある。

・LTE対応スマホ
バンド1、バンド19の2つは重要
できればバンド3とバンド21にも対応

・3Gスマホ
バンド1は必須
できればバンド6とバンド19

このようになる。なお、LTEスマホでもW-CDMA(3G)のバンド6に対応していないと地方や郊外で通話できない場合が多いため注意が必要だ。

これらのバンドを確認する方法は、通常はSIMフリースマホのメーカーページに記載されているが、そうではない場合は問い合わせる必要があり、やや面倒だ。


対応バンドは主にスペック一覧に記載されていることが多い
※画像はZenPhone5のスペック表です


格安スマホなどの登場で、国内通信に完全対応ではない機種も増えている。
購入後に通話や通信ができないとわかっても後の祭り。
格安スマホ、SINフリースマホの購入前には、国内の通信対応も確認しておきたい事項である。


布施 繁樹