硬貨には製造年が記載されているのに、紙幣にないワケ

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日本に流通しているお金のうち、硬貨(コイン)にはすべて「製造年」が記載されています。しかし、紙幣(お札)にはその記載が一切ありません。同じ日本のお金なのに、どうしてこのような違いがあるのでしょうか?今回は、その理由に迫ります。

■紙幣の寿命はかなり短い

硬貨というものは簡単に壊れたりすることはなく、その寿命は半永久的とも言われています。実際、何十年も前の十円玉なども、よくお財布に入っていたりしますよね。一方、紙幣は文字通り「紙」でできており、とても脆いという特徴があります。

そのため耐用年数がかなり短く、一万円札で3〜5年、千円札と五千円札なら1〜2年程度で寿命が来てしまうのだとか。そして、寿命を迎えた紙幣は順次新しいものと交換されます。したがって紙幣には製造年を記載しても意味がない、という判断がされているのです。

■なぜ、硬貨には製造年が入っているの?

今でも硬貨に製造年が入っているのは、昔にあった「金本位制」や「銀本位制」の名残だそうです。日本に造幣局ができた当時(明治4年)は、鋳造した年によって金銀の品質が異なっていたため、いつ造られたものであるかを証明するために硬貨に製造年が刻印されました。

そうすることで、後年になっても硬貨に含まれる金や銀の量が分かるようになり、硬貨の信用度や品位を高める意味があったとされています。同じ十円玉でも、製造年が違えば価値が違った……なんてことがあったと考えると、なんだか不思議な感じがしますね。

■紙幣も、実は製造年が分かる!?

実は、紙幣に製造年を印刷しない理由は、もう1つあると言われています。それは、製造年を記載しなくても、その紙幣がいつ刷られたものかが分かるようになっていること。というのも、紙幣にはそれぞれ記番号というものが印刷されており、それを見れば製造時期が判明するそうです。

しかし残念ながら、それは一般人には分かりません。紙幣の製造年を読み解くことができるのは、日本銀行だけ。紙幣が関わる犯罪などが起こったときには、警察が日銀に問い合わせて製造年を調べたりすることもあるそうです。

普段から私たちが何気なく使っているお金にも、実は色々な情報が詰まっています。今一度、お財布の中の紙幣をじっくり観察してみるのも、面白いかもしれません。もしかしたら、今まで気付かなかった新しい事実に出会えるかも!?