2006年に開催された第1回WBCで日本中の話題となったボブ・デービッドソン氏 [Getty Images]

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 ボストン・レッドソックスに所属する上原浩治投手が、今年のオールスターゲーム(現地時間7月15日)で意外な人物に遭遇したことを自身のブログで明かしている。

 その意外な人物とは、ボブ・デービッドソン氏。まだピンと来ていない方、8年前を思い出して下さい。第1回WBCで西岡選手のタッチアップ判定が覆った…そうです、あの世紀の大誤審で日本中を敵にまわした、あのボブ・デービッドソン審判員です。

 上原はブログ内で同氏とのツーショット写真を公開し「ボブ・デービッドソン。2006年のWBCで審判してた人です。あの当時はかなり有名になったはず(^^;;いろんな意味でね。自分が先発した試合だったし...。オールスターに来てるってことは、かなりのお偉いさんなのかな?」とコメント。因縁の相手との意外な再会を楽しむ様子がつづられている。

 ちなみに、ボブ・デービッドソン氏は米国内でも誤審の多い審判として有名。数々の監督や選手と対立し、時には観客にまで退場をコール。そして、審判なのに自分も出場停止になってしまう、なんとも話題に事欠かない人物である。

 日本では同氏によって第1回WBCのアメリカ戦で敗北した、と記憶している人が多いが、実は日本戦以外でも彼は誤審を犯し、結果的に日本の優勝をアシストしたことはあまり知られていない。

 誤審のあった試合は、WBC第2ラウンドのこと。このラウンドでは、日本、アメリカ、メキシコ、韓国が4チームで総当たりのリーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントに進出するルールだったが、日本はデービッドソンの誤審もあり初戦でアメリカに敗戦。次のメキシコには勝利したものの、続く韓国戦に敗北し、決勝トーナメント進出は絶望的となった。

 しかし、ここで再びデービッドソンの登場だ。同ラウンドの最終戦でメキシコとアメリカが対戦、責任審判員として参加したデービッドソンが、メキシコの本塁打を二塁打にしたり、明らかなアウトをセーフにしたり…アメリカが有利となる判定を連発。すると、すでに敗退気分でいたメキシコが怒りの奮起で、アメリカに勝ってしまったのである。その結果、日本、メキシコ、アメリカが1勝2敗で並ぶこととなり、失点率で日本が決勝トーナメントに進出。その後、世界一まで駆け上がったのはご存知の通りだ。

 日本では誤審審判としか認識されていない同氏だが、WBCで日本中が沸いたのは同氏のあの判定が一役買ってるのは間違いない。今後もいろいろと話題をふりまいて欲しいものだ。