「見てると元気出る!」「特にジャニーズ好きとかじゃないけど、毎週の楽しみ」などと、最近じわじわ人気が出てきている深夜番組『キスマイBUSAKU』(フジテレビ系、木曜24:10〜)。恋愛をする気力がない、時間や余裕がない、出会いがない、そんなアラサー女性からも“胸キュン補給番組”として評価大。人気の秘密と女性心理を探ってみました。

    仮想の恋愛場面を厳しくジャッジ!

番組のメインコーナーは、キスマイ(Kiss-My-Ft2)の7人のメンバーが毎週決められた恋愛テーマに従って、自ら「かっこいい」と思うシーンを考えてセルフプロデュース映像を制作。キスマイをよく知らない女性100人に審査してもらい、1位から7位までコメント含みで順位付けしていく……という内容。審査はかなり厳しく、キュンとくれば絶賛のコメントが寄せられますが、「怖い」「女心がわかっていない」などの辛らつな意見もどんどん飛び出します。

テーマは、「GWのデートプラン」「彼女への夜食」「誕生日サプライズ」といった定番系から、「給湯室でのチュー」「大学の講義中にバレないようにキス」「玄関での別れ際に彼女をドキドキさせる」……といった一瞬のシチュエーションまで多彩。「深夜帰宅後に、こんな夜食が出てきたら超うれしい」「こんなデートは確かに最高!」と素直に頷ける回もあれば、「ありえないでしょ(笑)」と突っ込みたくなるような“非現実”な回もありますが、「でもなぜか、見ていると自然に顔がにやけてる自分に気づく(笑)」などと、ハマる女性が続出しているようです。

    女子は“ベタ”も“ヘタレ”も嫌いじゃない!?

言ってみれば、恋愛妄想バラエティー。なぜファン以外からも人気なのか? 以前、男性陣が口を揃えてこんなことを熱弁していたのを思い出しました。「女子ってなんだかんだ言って結局、ベタなことされるの嫌いじゃないじゃん!」と。クサい言動は苦手、という女性も多くいるけど、でも実際に自分がそうされると、まんざらでなくなる女性は確かに意外と多いかも!?(「ただしイケメンに限る」ではなく「多少気のある男性に限る」だとは思いますが!)。ありそうでなさそうな“ベタな恋愛妄想”をあくまでライトに体感させてくれるところが、番組人気の理由と言えそうです。

ちなみにキスマイは、イケメンキャラ3人と非イケメンキャラ4人に分かれているので、“モテパターン”のみならず、“ダメパターン”を眺める面白さもあり。ダメ常連の4人のほうに肩入れし、「ヘタレっぷりが愛おしい」と生暖かく見守る視聴者の声もちらほら。女子を喜ばせるのに手慣れた男子よりも、ヘタレで不器用な男子にキュンとくるという女性のツボも押さえているようですね。

    女子は本当に“現実的”? 恋愛妄想は活力剤!

また、リアルな恋愛に疲れたという失恋後の女性からは、「(番組が)非現実だとわかっていても、こういう優しい男の子もいるよと思えて安心する、癒される……」なんて意見もありました。「女は男より現実的」「失恋からもすぐ立ち直る」なんて言われるけれど、“乙女”な部分は心の奥に封じ込めているだけ。アラサーくらいになれば、生活や将来も現実的に考えるし、恋愛感情だけじゃ生きられないことも知っている。それでも多くの女性は、恋に何かしらの“夢“を見ていたい気持ちを、何歳になっても、隠し持っているものなのかもしれません。

そういえば、既婚の先輩女性も言っていました。「旦那は旦那で好きだけど、(映画『プリティ・ウーマン』のように)ある日突然リチャード・ギアが薔薇を持って窓からやってきたらいいのに……と心のどこかで思っている」と。軽いシンデレラ願望とも言えるような、こうした“恋愛妄想”は、楽しいことばかりじゃない現実を乗り切るための、女性たちのちょっとした“活力剤”と言えるのかも。皆さんはどんなものから日々の元気をもらっていますか?

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(文=外山ゆひら)

画像:Original Update by Erin Kelly