昨年9月、フランスのラ・ロシェルにある私立高校のトイレでレイプ事件が発生。被害にあった16歳の女子生徒が犯人の特徴を特定できないことから、男子生徒、男性教諭の全てに対しDNA検査が行われることになった。これに保護者らは…!?

フランス西部ラ・ロシェルの、生徒数1,300というカトリック系の私立学校「Fénelon Notre-Dame」のトイレ内で、昨年9月に当時16歳の女子生徒が何者かにより性的暴行を受けるという事件が発生していた。学校および警察はこのほど、その犯人を特定するためにすべての男子、男性計527名に対してDNA検査を行うことを決定。シャンタル・ドゥヴォー校長からのその通知に、保護者および教育関係者らの間で激震が走っている。

性的暴行の被害にあった女子生徒は、長時間の使用によりトイレの電気が消えてしまった暗がりの中で背面から襲われており、自首する者がまったく現れないことから、犯人を突き止めるため保護者の承諾を得た上でDNA検査を決行することに。警察が主導となり、事件当時に在籍していた男子生徒475名、男性教諭31名、男性職員21名の綿棒で唾液を採取し、女子生徒の制服に残っている体液のDNAを照合したいと伝えられた。

ドゥヴォー校長は「1か月で検査結果は出ます。犯人以外のデータはすべて破棄します」と伝えているが、フランスの人権活動団体連盟の会長、ピエール・タルタコフスキー氏は『Le Parisien』紙に、「事件と無関係の者にはこの検査に納得できない人も多いでしょう。誰もがこれを拒否する権利を持っていますが、それでは犯人である可能性を疑われることになる。不当で恐ろしい、脅迫めいたものを感じます」などと語っている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)