内田篤人(撮影:千葉格/PICSPORT)

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【ミックスゾーンに現れた内田篤人は悔しさを前面に出した】

他の誰よりも結果を強く求めていたからこそ、ミックスゾーンで一番最初に口から出てきたのは悔しいという思いだった。セルビア戦、ベラルーシ戦と連続スタメン出場した内田篤人は「2つやって2つとも負けちゃっているし、結果が出ていないので残念です」と唇を噛んだ。

押し込んでいるけど点が取れず、前がかりになったところでカウンターを受けて失点を喫する。それは最近の日本代表によく見られる失点パターンだが、内田も「失点する形がだいたいセットプレーとカウンター、世界のどのAマッチを見てもだいたい同じパターン、7割、8割は同じなので気を付けなければいけないのはわかっているけど相手もいることなので」と課題は認識している。

それでも進んでいる方向は間違っていないという思いがある。「やろうとしていることはそんなに悪くないと思う。慣れと時間をかければもっと無駄を省けると思う」。今は本番ではない。「チャレンジ、チャレンジだから、そこは悪くないと思う」と相手がカウンターを狙っていても、自分たちのスタイルを貫いて質を上げていくことに意味があると考えている。

チームとして新たに取り組んでいることもある。「今日はサイドバックを積極的に上げることもやったし、何回もサイドで受けて、もう1回サイドに散らしてとか、そういうことをやりながら間を狙って、間で前を向けたらスイッチが入るというのを常に心がけてはいた」と岡崎慎司が話したように、ベラルーシ戦ではサイドチェンジを積極的に使うなかでサイドバックが高い位置で攻撃に絡もうとする姿が見られた。

サイドバックの積極性が決定機に結びついたのが19分の場面だ。右サイドの高い位置でボールを持った内田が香川真司とのワンツーからペナルティエリア内まで飛び込み、シュートを放った。「今までは別にそこまでいこうと思っていなかったから、ああいう形が出てきたことはいいこと」。内田もこれまでとは違う新たな動きにチャレンジし、手応えも得ていた。

結果が出ないのはもちろん悔しい。だが、内田に焦りはない。「我慢しかないと思う。うまくいかないときがないとは思っていない。1つ結果が出れば。そんなもんだと思う。ちょっとボタンの掛け違いで、結果も勝手についてくる。そんなに心配していない」と淡々とした口調で語る。

「シャルケでも鹿島でもそうだったけど、うまくいかないときはうまくいかない。ああいうシュートも入るときは入るし、どう打開するといっても流れがくるまで我慢するしかない。そこらへんは戦術の問題じゃないけど、いままでそうやってきた。勝って、チームのリズムができる」。我慢してやり続ければ、そのうち結果はついてくる。内田はそう確信している。

日本 0−1(前半0−1、後半0−0)ベラルーシ

(取材:サッカージャーナル編集部 橋本明、撮影:千葉格/PICSPORT)