韓国で、8月20日に粉ミルクから干からびたカエルの死骸が発見されたのをはじめ、大手食品メーカーが販売する製品から異物が見つかる騒動が相次いでいる。メーカーの生産や流通過程の管理態勢に問題があるのではないかと指摘する声もあり、「食の安全」に対する国民の信頼が揺らいでいる。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国で、8月20日に粉ミルクから干からびたカエルの死骸が発見されたのをはじめ、大手食品メーカーが販売する製品から異物が見つかる騒動が相次いでいる。メーカーの生産や流通過程の管理体制に問題があるのではないかと指摘する声もあり、「食の安全」に対する国民の信頼が揺らいでいる。

 複数の韓国メディアによると、食品医薬品安全処は22日、韓国の食品会社センポ食品が販売する乾燥麺から金属片(0.4ミリ)が見つかり、製品の販売を中断・回収措置を取ったことを発表した。金属片は、麺を加工する過程で混入したことが確認されており、市場に流通している1万1520袋を回収する方針という。

 20日には、カエルが混入した粉ミルクの騒動が起きた。韓国南部・全羅南道木浦市に住む女性が、生後6カ月の女児にミルクを与えたところ、粉ミルクの缶の中からカエルの死骸(約4.5センチ)を見つけた。問題があった製品を販売する南陽乳業側は、製品にカエルが混入する可能性はないと主張。「子どもが間違えて死んだカエルを入れた可能性がある」と消費者側に問題があったとの見方を示している。食品医薬品安全処は、問題が見つかった製品を回収し、カエルが混入した経緯について調査している。

 8月始めには、東遠F&Bが販売するミネラルウォーターから悪臭がすると、消費者からの抗議が相次いだ。ある消費者は「コーヒーを入れたり、沸かしても、我慢できないほどの臭いがする」と話した。

 食をめぐる騒動が相次いでいることを受け、韓国では製造や流通に対する管理体制の不備が指摘されている。最近問題が指摘された食品はすべて大手企業が販売する商品だが、OEM供給されたものだという。食品医薬品安全処の関係者は、OEM製品が増えるにつれて品質にまつわる問題も増加しているとし、メーカーは製造業者を徹底的に管理する必要があると指摘した。

 韓国メディアは、消費者は「食品から異物が見つかったとの報道を見るたび、子どもに何を食べさせたらいいのか分からなくなる」と話すなど、食の安全に不安を感じていると指摘。メーカーは、事故が起きた時にブランドイメージへの影響を懸念するよりも、根本的な対策を考える必要があると論じた。(編集担当:新川悠)(イメージ写真提供:123RF)