福島の原発事故以来、反原発の声が高まっている台湾で9日午後、大規模なデモが行われた。主催者の発表によれば、台北、台中、高雄、台東の4か所で行われた今回のデモにはおよそ20万人が参加し、反原発デモとしては過去最大規模になったということだ。

『NOW news』によれば、4か所で開催されたデモのうち最大規模となった台北市のデモには、10万人(主催者発表)が参加し、「廃核」「第二の福島はいらない」などと書かれた横断幕を手に6グループにわかれて市内を行進、総統府前に集合した。また、現在建設中の第4基原子力発電所付近の住民は「発電所の建設開始後、自然環境が著しく変化した」「付近の住民がどんどん病気になっている」と話し、原子力発電や放射性廃棄物について社会はもっと関心を持ってほしいと訴えた。

今回の反原発デモは、芸能界からの参加が多いことも注目された。会場に姿を見せた芸能人の中には、人気俳優の阮經天(イーサン・ルァン)さんや鈕承澤(ニウ・チェンザー)監督がおり、「不完全な第4基の建設には断固反対する」とコメントした。

第4基原子力発電所の建設続行の是非については、今年夏にも国民投票が行われる見通しだが、有権者の半数以上の投票率が条件であることなど、投票規則や設問に対し野党が反発している。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)