【写真】いつも陽気なピーター・アーツだが、久しぶりにキックボクサーとしての来日に会見のステージ上では神妙な顔つきをしていた (C) WORLDKICKs

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1993年から約20年間、名実共にK-1を代表する選手として愛されてきたピーター・アーツ。昨年からはプロレス団体IGFで試合を続けてきたが、GLORYと契約を結び、12月の東京大会にキックボクサーとして出場することとなった。

『世界のトップキックボクサーの90パーセントと契約した』と豪語するGlory Sports Internationalと、日本大会を共催するG-Entertainmentの提供による、GLORY Fighterインタビュー=ピーター・アーツ編。「トーナメント出場は今回が最後」「あと6大会に出場したら引退する」と現役引退の時期を明確に考えているアーツが日本で戦うことへのこだわりを語ってくれた。

――最近はプロレス団体IGFにプロレスラーとして来日していたアーツ選手ですが、12月にキックボクサーとして日本に来ることになりましたね。

「アイ・ラブ・イット! やっぱりキックボクサーとしてファイトすることは気持ちをグレイトにしてくれるよ」

――アーツ選手は2011年に自分のジムをオープンしていますが、現在はどういった環境で練習しているのですか?

「プロレスの試合をしていても、キックボクシングの練習を欠かした日はない。基本的には午前中に自分のトレーニングをして、昼間に少し休んで夕方にジムで指導をしている」

――多忙な毎日を過ごされているようですね。

「そう。ジムでは夕方の2時間、2クラスしか指導できないんだ。でもジムには300人近い生徒がいるし、生徒に指導することは自分にとっての練習にもなっているよ。70キロで一人いい選手がいて、もし日本のプロモーターに気に入ってもらえるなら、日本で試合をさせたいね。もう2〜3年もすれば、もっと多くの選手を育てられると思う」

――ここ数年のアーツ選手は年齢を感じさせない試合を見せていますが、コンディションをキープするために意識していることはありますか?

「昔は1日に3回、とにかくハードにトレーニングするだけだった。でも今はもっとスマートになって、短い時間でも効果があるようにテクニックを意識したトレーニングをするようにしているんだ」

――2008年のK-1 WORLD GPでセーム・シュルトに判定勝ちした時、アーツ選手はロサンゼルス・レイカーズの元チームドクターにコンディショニングを指導してもらっていると話していましたが、今もそういったトレーナーはいるんですか?

「そのドクターはもう離れてしまったけど、今は針治療が出来るトレーナーがチームにいて、肘や膝をメンテナンスしてくれるんだ。彼にはカットマンとしてもセコンドについてもらっているよ」

――アーツ選手はK-1を代表する選手として、約20年間もK-1を主戦場に戦ってきました。今回、K-1ではなくGLORYというイベントに出て、日本で戦うことについて思うことはありますか?

「K-1はもうフィニッシュしたんだ。新しいオーナーになったけど、ほとんどのトップファイターがGLORYと契約している。これからはGLORYがK-1に代わって、世界のキックボクシングを引っ張っていくことになるだろう。もちろん……K-1がこうなってしまったことは本当に悲しいことなんだけどね」

――GLORYでは新世代の選手たちと戦うことになっていくと思いますが、アーツ選手は今の若いファイターたちのことをどう思っていますか?

「素晴らしいことじゃないか! 自分たちのようなビッグネームが注目を集めている間に若い選手が育つことがベストな形だよ。まあどんなに若い選手が活躍していると言っても、試合をすることになれば、全員ノックアウトしてやるけどね(笑)」

――12月の東京大会は16人制のワンデイトーナメントで、決勝以外は2分2Rというルールです。K-1 WORLD GPとは違う形式でのトーナメントですが、アーツ選手はそれについてどう考えていますか?

「3分5Rの試合からスタートした自分から言わせてもらうと、ちょっと複雑な気持ちにはなるよ。個人的には3分3Rの方がいいと思っているし。でもGLORYが新しいイベントで、新しいフォーマットでトーナメントをやるのであれば、とりあえず、まずはやってみて、そこでどうなるかで判断すべきだ。だから今は新しいフォーマットについては特に意識しないようにしている」

――1998年以降、トーナメント優勝から遠ざかっていますが、トーナメントで優勝することにこだわりはありますか?

「トーナメントだから、ワンマッチだからということで自分のモチベーションが変わることはない。試合の形式がどうであれ、目の前の対戦相手を全力でぶっ倒すことしか考えてないからね。ただしトーナメントに出場するのは12月の大会が最後になると思うんだ。来年はワンマッチで試合を続けることになるだろう。12月の日本大会を含めて、あと6大会に出場したら現役からは引退しようと思っている。きっと1年半から2年後のことになるだろうけど、最後の試合はオランダでもなく、ヨーロッパでもなく、ここ(日本)でやりたい。日本のファンにピーター・アーツのラストファイトを見てもらいたいね」

――そうなると、なおさらアーツ選手の日本でのファイトは貴重なものになりますね。それでは最後にアーツ選手のキックボクシングの試合を待ち望んでいたファンにメッセージをお願いします。

「僕はお金のために試合をしているんじゃなくて、試合をしたくてやっているんだ。お金は大事だけど、決して一番ではないし、もっと他に大事なものがある。とにかくファイターとして最後を迎えるその時まで、日本のファンには自分のファイティングスピリッツを見続けてもらいたい。押忍」

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