石川祐樹 写真展『蝶々の心臓』は、今月24日から30日まで、東京・新宿にて開催される

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ある格闘家が綴るブログが大きな話題を呼んだ。

2011年4月から今年の6月まで更新されていた『パパはね。。』というブログは、ブラジリアン柔術黒帯で、柔術スタジオ・トライフォース青山代表の石川祐樹さんが、心臓疾患をもって生まれた娘の姿をカメラで撮りながら、置かれた現実と正面から向き合い、愛する娘に語りかけ続けるというものだった。

娘が生まれた日を振り返り、「今までの人生で一番長い日でした。そして一生分泣きました。ジャケットの裾は涙と鼻水でグショグショでした」(同ブログより)と綴った石川さん。そんなブログの中では、「転んでケガするのが怖くていつも道場で遊んだね。キミは怪我をすると血が止まりにくいんだ。毎日飲んでるお薬の副作用なんだ。道場のマットの上なら何度転んでも安心だからね」、「2回目の手術が終わるまでは『心臓に負担がかかるので泣かさないように』ってお医者さんに言われてたんだよ。赤ちゃんを泣かさないって難しいよね。キミが泣き止まないときはパパも泣いてたよ」など、娘に向けた優しい言葉の中にも、突きつけられた思うに任せない現実、石川さんの苦しい胸のうちが垣間見えた。

娘が3歳となり、3つの大きな手術を乗り越えたことから、このブログは閉じられたが、その後も反響が大きく、現在『パパはね。。』は、「nepenthes(ネペンテス)」公式サイトにおいて、3話分まで再掲載が進んでいる。

そんな石川さんが、今月24日から30日まで、東京・新宿「Place M」で写真展を開催することになった。

タイトルは『蝶々の心臓』と付けられ、写真展の公式サイトには、『心拍数ゼロ、血圧ゼロ。成功したかと思われた心臓手術だったがキミの容態は急変した。 再度、胸を開いての心臓マッサージが始まる。もうダメかと諦めかけた時、キミの心臓は小さな鼓動を打ち始めた。キリスト教において蝶は復活の象徴らしい。蘇ったキミは今日もパパの周りをヒラヒラと飛び続けている。』という言葉が添えられている。

石川さん自身「テーマは死」と語っている通り、決して娘の笑顔ばかりを並べた“ポートレート”ではない。柔術スタジオのブログには、「写るはずのない『何か』を写す為に写真を撮り続けているのかもしれません」と綴っている石川さん。死という闇から、生という一筋の光を掴んだ娘の成長を捉えた写真の数々からは、必ずや私達が忘れていた『何』か大切なものを気付かせてくれるだろう。

■石川祐樹 写真展『蝶々の心臓』
期間:9月24日〜9月30日(12:00−19:00)
場所:フォトギャラリー「Place M」
住所:東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F[地図
入場:無料

■関連リンク
石川祐樹公式サイト
『パパはね。。』(再掲載)
トライフォース青山 柔術スタジオ