スクデット獲得の夢を見続けるには、上へと上がる必要がある。インテルが考えているのは、順位を上げることだ。だがMFチアゴ・モッタは、文字どおりに「上」へ上がった。23日のキエーヴォ戦で、MFヴェスレイ・スナイデルのクロスに反応したT・モッタは、とても高く「上がった」のだ。

T・モッタは今のインテルにとって重要な選手だ。彼がディフェンスラインの前に戻ってきて、インテルは2試合で2勝している。彼には、中盤に足りないダイナミックさを与えることはできないだろう(それはMFジョエル・オビやMFデヤン・スタンコビッチが、MFエステバン・カンビアッソやMFハビエル・サネッティを休ませるために起用されたら考えることだ)。だがT・モッタには、戦術的な知性がある。セットプレーもさらなる武器だ。

T・モッタにはポジションセンスもあり、いつ戦術的ファウルをすべきかも知っている。そして、今のインテルの中で、ボールを持ち過ぎることなく、1、2度のタッチでボールをさばくことができる数少ない選手の一人なのだ。

同じクオリティーを持つのがスナイデルである。さらに彼はより正確で、MFたちにあまり支えられない攻撃陣での流れを変えるのが彼なのだ。DFマイコンの攻め上がりを最初に見るのもスナイデルだ。右サイドでの彼のプレーの変化は、インテルの武器の一つとなっている。

一方で、3冠を獲得したときの決定的な武器は、まだケースに収められたままだ。FWディエゴ・ミリートは完全にFWジャンパオロ・パッツィーニとのポジション争いに負けたようである。キエーヴォ戦ではパッツィーニがベンチに下がったときですら、ミリートはベンチに座ったままだった。投入されたのは、FWルク・カスタイニョスだったのだ。

だが、26日のセリエA第9節・アタランタ戦では、ミリートが先発出場すると見られている。ミリートは現状に満足していないようだが、クラウディオ・ラニエリ監督は喜んでいるだろう。レギュラーを取り戻しただけでなく、代役の選手たちもいるからだ。

なお、『ヴァニティー・フェア』によると、パッツィーニは近いうちに父親となるようだ。本人は公式に発表していないが、シルヴィア夫人のお腹は明らかで、ミラノ市内でゆりかごも手に入れたそうだ。赤ちゃんは男の子だと見られている。