パレルモは29日、コッパ・イタリア決勝でインテルと対戦する。パレルモのデリオ・ロッシ監督は、「パレルモにとって歴史的な目標だ。イタリア南部で勝つことがどんどん難しくなっているのは周知のとおりだよ」と語った。

インテルMFハビエル・サネッティは、「ゼロからのスタートだ」とは言っていない。彼もまた、インテルが有利であることを知っているからだ。ロッシ監督もそう繰り返しいる。

「理論上は互角の試合ではない。両チームは同じレベルにはないんだ。彼らは欧州王者であり、世界王者なんだよ。いずれにしても、どちらがよりアツいハートを持っているか、そして何よりどちらがより冷静なアタマでいるかが重要となるだろう」

「我々に特別なモチベーションを与える必要はない。ウチの多くの人間にとって、これは一生に一度の試合になるんだ。サポーターに喜びをプレゼントできたら素晴らしいだろうね。(準決勝の)ミラン戦だって、理論上は我々が劣っていた。だが、我々はサプライズとなったんだ。運動量と熱意、そして自己犠牲の精神で、我々は大きな期待にそうレベルでなければいけない。110%を出すよ」

ロッシ監督は指揮官としてすでにこの大会を制したことがあるが、レオナルド監督はまだだ。

「ラツィオで最後にファイナルを戦ってから2年が過ぎた。素晴らしい気分だったよ。ここパレルモではまた違う気分になるだろう。パレルモは本当のサプライズであり、より歴史もないからね。レオナルド? 最高の人物だと思う。彼にはミランとインテルを率いるという運と能力があった。私はもっと回り道をしてきたけど、誰のことも妬んではいないよ。ベンチにいれば、結果ややり方を常に騒がれるものだ」

パレルモにおけるロッシ監督の立場は、本当に安定していない。解任され、呼び戻され、そして今またその去就はどうなるか分からない状態だ。指揮官は「今は個人的な状況はまったく重要ではない。私の未来については、(マウリツィオ・)ザンパリーニ会長と話す機会があるだろう」と述べている。

これがパレルモでのラストゲームになるかもしれないのは、キャプテンのFWファブリツィオ・ミッコリにとっても同じだ。同選手は「去就? もう決めたけど、今はそれを話すときではない。今はトロフィーだけが大事なんだ」と語った。

優勝となれば、パレルモでの道のりの締めくくりとして完璧だろう。ミッコリは「今季ほど信じていたことはない。僕は何年もパレルモでトロフィーを掲げることを夢見てきた。今、それに近づいているんだ。このクラブの歴史を築けたら素晴らしいだろうね。どうなるか、頭の中で想像しているよ。何より、キャプテンとしてトロフィーを掲げたい。もちろん、4年間の浮き沈みがあって、ファイナルを戦えれば最高だね」と続けている。

だが、ロッシ監督が彼を先発で起用するとは、彼も思っていないようだ。ミッコリは笑って、「10分だけでも十分だ。5分でもいい。結局は勝てば良いのさ」と認めた。