【セルジオ越後コラム】意味のない試合は延期すべき
代表監督候補者との交渉に出かけていた原技術委員長が帰国し、記者会見を開いたね。端的に言えば、何の成果も上げられずに帰ってきたことによる説明会で、詰めかけた記者たちからは、交渉の稚拙さを突く質問や、原氏の責任問題まで言及する質問があったようだ。
なんだか原さん一人がスケープゴートにされているけど、そもそもこれは協会としての甘さが招いている事態だ。2002年以後は、ジーコしかりオシムしかり岡田武史しかり、世界の潮流など気にせず、近場で引き受けてくれる人に、会長が一声かけてそれで決まってきた。
それが今回は方向転換し、超一線級の監督にアタックすることになった。しかし欧州でしたたかに生きているプロの代理人を前にして、その交渉の難しさを思い知らされているというわけだ。協会の認識が甘かった、経験不足だった、ということなんじゃないかな。これは原さん一人の責任じゃない。
僕は、監督が決まるのに時間がかかることについては、別に問題ないと思っている。経験不足で交渉下手なのだから、そんなに簡単に世界の監督を連れてこれないことぐらい、やる前から想像できたことだ。
一番の問題は、この状況で親善試合を2つ実施するのを決めてしまっていることだよ。ここに、強化よりも事業=ビジネスありきの体質が見えてしまう。
サポーター、テレビ局、スポンサーに対して、こんなに失礼な話はないよ。この2試合に何の意味があるのか、まったく理解できない。テレビで解説する者として、何をしゃべればいいの? 記者たちも、試合後のインタビューで何を聞けばいいのかわからないんじゃないかな。
本来なら、各方面に謝罪して、延期、あるいは中止するべきだと思う。それができなければ、希望者へのチケットの払い戻しはやるべきだろう。約束と違う出し物になるのだから、当然だよね。
いっそのこと、チャリティマッチにしてしまうのはどうか。それなら実施する意味が見える。選手だって、積極的に参加してくれるんじゃないかな。今のままだと、海外組はもちろん、ナビスコ杯などで過密日程の中、“とりあえず”招集されてしまう選手たちが最もかわいそうだ。(了)
なんだか原さん一人がスケープゴートにされているけど、そもそもこれは協会としての甘さが招いている事態だ。2002年以後は、ジーコしかりオシムしかり岡田武史しかり、世界の潮流など気にせず、近場で引き受けてくれる人に、会長が一声かけてそれで決まってきた。
それが今回は方向転換し、超一線級の監督にアタックすることになった。しかし欧州でしたたかに生きているプロの代理人を前にして、その交渉の難しさを思い知らされているというわけだ。協会の認識が甘かった、経験不足だった、ということなんじゃないかな。これは原さん一人の責任じゃない。
一番の問題は、この状況で親善試合を2つ実施するのを決めてしまっていることだよ。ここに、強化よりも事業=ビジネスありきの体質が見えてしまう。
サポーター、テレビ局、スポンサーに対して、こんなに失礼な話はないよ。この2試合に何の意味があるのか、まったく理解できない。テレビで解説する者として、何をしゃべればいいの? 記者たちも、試合後のインタビューで何を聞けばいいのかわからないんじゃないかな。
本来なら、各方面に謝罪して、延期、あるいは中止するべきだと思う。それができなければ、希望者へのチケットの払い戻しはやるべきだろう。約束と違う出し物になるのだから、当然だよね。
いっそのこと、チャリティマッチにしてしまうのはどうか。それなら実施する意味が見える。選手だって、積極的に参加してくれるんじゃないかな。今のままだと、海外組はもちろん、ナビスコ杯などで過密日程の中、“とりあえず”招集されてしまう選手たちが最もかわいそうだ。(了)
関連情報(BiZ PAGE+)
サッカー解説でお馴染みのセルジオ氏による辛口コラム。