南アフリカの「マザータウン」と呼ばれるケープタウン。そこでは武装したギャングが次々と人を襲っている。今まではケープタウン中心部での強盗・殺害が多かったが、最近では郊外の民家もターゲットになっている。先週だけでも少なくとも3件の強盗殺人事件が起こっており、犯人は捕まっていない。



先週の水曜日、海沿いの街ストランドでは92歳のサイモン・ファン・トンダーさんが殺害された。3人の男がトンダーさんの後をつけ、家に入ったところを襲っている。トンダーさんはその日の夜病院で亡くなった。何が盗まれたかは不明だという。

また木曜日には、壮大なテーブルマウンテンが一望できるテーブルビューというエリアで、イフェアニ・アエウォさん(39)が射殺された。彼は頭を撃たれ死亡、同じ敷地内に住む二コール・フリーマンさんと彼女の子供は別室に閉じ込められていた。彼の自宅では500万円相当のヘロインが見つかった。フリーマンさんの夫が朝教会に行くため家を出たところ、3人の男が家の前にいて家の方を見ていたという。アエウォさんが外出のため家を出たところで男たちが家に押し入ってきた。彼らは二コールさんたちを閉じ込めた後、アエウォさんに「金はどこだ。俺たちは仕事をしにきたんだ。」と脅し、抵抗したアエウォさんの頭部を撃ち、車を盗み逃げたという。アエウォさんは賃貸契約の際偽名を使っており、亡命を計画していたとも言われている。警察では、「アエウォさんはナイジェリア人から麻薬を手に入れたものの、お金を払っていなかったために殺害されたのではないか」と見ている。

同じ日の夜、静かな住宅街ブラッケンフェルでもジェィコブ・シュレイダーさん(36)が殺害された。シュレイダーさんは金曜日からの休暇の準備で、荷物を車に詰め込んでいたところを3人の男に襲われた。男たちはシュレイダーさんに妻、娘と共に家に入るよう言ったが、抵抗されたために胸や首の後ろなど3箇所を撃った。男たちは明らかに強盗目的で襲ったが、何も盗らずに逃走したという。犯人は依然捕まっていない。

郊外の住民は、以前よりも犯罪が増えており、常にギャングに包囲されている気がすると言っている。郊外での犯罪は街の中心部に比べるとまだ少ない方なのだが、それでも去年は1ヶ月に4〜5件しか犯罪が起こっていなかったのに今年に入ってからは10〜12件と飛躍的に増加している。

この国では、強盗に襲われたら抵抗してはいけないといわれている。彼らが盗むのは、持ち運びしやすくブラックマーケットで換金しやすい携帯やDVDプレーヤーが多い。それと引き換えに命が救われるのならば、おとなしく強盗に従うほうが賢明だろう。

(編集部:近藤仁美/From South Africa)

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