今回の【どっちが勝ち組でショー】 は、お笑いの藤井隆を始め“アラフォー男性”「永遠の心の恋人」、ナンノこと南野陽子と、CMではチアガール姿を披露し、変わらぬ可愛らしさを見せるママさんアイドルのトップ菊池桃子。どちらも40歳を過ぎ、立派なアラフォー清純派アイドルであるこの二人。未婚、既婚と女の人生は大きく分かれているが、本当の勝ち組はどっち?


昨年末に放送された、「笑っていいとも年末スペシャル」の“紅白仮装対決”での、南野陽子を見たであろうか。彼女は、黒パーマのウイッグを被り、白いパジャマ姿。小脇にクマのぬいぐるみを抱えて登場した。そう、鳥居みゆきのコスプレだ。立ち尽くす“鳥居ナンノ”はライトが当たった瞬間に両手両足をつっぱり、叫びながら暴れだした。

「陽子の〜! アラフォー、さみしー!アラフォー、」
「昔はアイドル、今お笑い!」
「それ、ヒットエンドラーン!、ヒットエンドラーン!、結婚できない、まだ独り〜。」

あまりの衝撃にもう忘れてしまったが、たしかこんな様な事を叫んでいた。

“独女代表”タレントの久本雅美よりも、森三中の“独身残り娘”黒沢かずこよりももっと、独身女の“哀愁”を背負ったナンノの勇姿だった。

ドラマ『スケバン刑事』でブレイクし、その後は『はいからさんが通る』などの映画や、歌手では『吐息でネット』のヒット曲もある清純派アイドルだった南野陽子。22、3年前は沢尻エリカ以上の人気だった彼女は女優転身後、映画『寒椿』でヌードも披露したが、邦画ヒットが続く今と違って、大きな話題に至っていない。
米米クラブのカールスモーキー石井との破局後、大した恋の噂も無く今だに独身を通す彼女は、人気絶頂時に“商魂たくましい”事務所のやり方に反発するなど、ファン思いでしっかりした意見をもつタイプのアイドルだった。
そして、20年経ち数々の苦難を乗り越えたナンノは、笑っていいとものレギュラーの座を勝ち取り、鳥居みゆきに至る。

かわってCMでは若々しいチアガールに扮し、皆を驚かせた菊池桃子。
彼女は80年代「後半」を代表するヴィーナス的なアイドルで、その点庶民的な堀ちえみや、早見優など当時の他のアイドルには無い魅力があった。主演映画の主題歌『BOYのテーマ』のイメージから、当時ある一定の男子達には、革命を引率する“女神”のように映っていたようだ。

プロゴルファーの西川哲と結婚し、二児の母に。ママアイドルの先駆者となり、再び人気になった。
菊池桃子の”ママタレ”スタイルは、松田聖子や、酒井法子のような「ママになっても仕事が大事」の考え方とは違い、あくまでも主婦が主。ご主人のゴルフの成績が悪い時期も一生懸命に支え、家事もパーフェクトにこなす。なのに、ハナにつかない生活ぶりや、姑の五月みどりとの“良好な関係”も印象がいい。
昨年、鈴木雅之との再デュエット、『恋のフライトタイム〜12pm〜』を発売し、レギュラー出演中の『はなまるマーケット』のお魚教室コーナーでは(10年以上主婦をしていて)「アジ」をさばいたのは初めて。と喜び、司会の岡江久美子や、薬丸を驚かせた。カリスマ主婦なのに常にマイペースだ。

本格的な女優業への復帰や、料理本のベストセラーなど、「狙えばいくらでも上がある」のに、平凡な主婦好みの活躍にとどまり、それでいて幸せそうにしている。ある意味、それは多くの主婦にとって理想であり、桃子の存在は“幸せママ”のカリスマだ。
しかし、彼女のパワーを知っている世代としてはこの活躍は物足りない。桃子の視線は常に”自分の家族だけ”にとどまり、アグネス・チャンや、藤原紀香の行っているような「社会活動」などにもあまり積極的ではない。あたりさわりの無い仕事ぶりと、「枠を超えない程度の活躍」が日本の主婦をとりまく”閉塞感”を連想させる。菊池桃子が、「人に与えられる愛」はそんな規模ではない。