元チェルシー監督のジョゼ・モウリーニョは、イングランド代表監督の就任の噂について、「あり得ないこと」と全面的に否定した。

 17日に行なわれたユーロ2008予選のロシア戦に敗れたイングランド代表は、自力での予選突破の可能性が消滅。2位を争うロシアが残り2試合で勝点を取りこぼすか、首位のクロアチアがグループ5位のマケドニアに敗れない限り、イングランドの本大会出場への道は閉ざされることになる。

 そして、予選敗退が決定すれば、スティーブ・マクラーレン監督の解任は確実。英国メディアはすでに後任候補の名前を挙げており、モウリーニョの名前は有力候補の一人として挙げられていた。それでも、このポルトガル人監督は、母国以外の代表チームを指揮するつもりはないと断言。さらに、代表監督については、「年寄りの仕事」と語り、当面はクラブチームの監督を続ける意向を明かした。

「私はポルトガル以外の代表チームを指揮するつもりはない。他の国を率いてポルトガルと対戦するようなことは考えられない。確かに、イングランドには私に敬意を払ってくれている人たちがいるようだ。もちろん、私自身もイングランドのフットボールに大きな敬意を払っている。しかし、今イングランドに戻るつもりはないんだ。もう少し先になると思う。私としては、これからもクラブチームで指揮を執りたい。イタリアのような国で、戦術家の監督たちを相手に自分の実力を試したいんだ。まだ代表監督になるつもりはないよ。ポルトガル代表監督は目標ではなるが、今はまだ早い。クラブチームと代表では仕事がまったく違うからね。代表監督は仕事嫌いな人間がする仕事だよ」

 さらに、「代表チームはその国にいる最高の選手と監督で戦うべき」と語り、外国人が代表チームの指揮を執ることに懐疑的な見方を示したモウリーニョ。その去就が注目を集める闘将だが、当分の間は多くの“信者”が存在するイングランドに指揮官として戻ることはなさそうだ。