ベネズエラで開催されているコパ・アメリカ(南米選手権)。カカー(ミラン)、ロナウジーニョ(バルセロナ)など主力を欠くブラジル代表の敗戦など番狂わせが続いているが、もう一方の雄アルゼンチンは、緒戦アメリカ戦から全開だ。先制こそ許したが、クレスポ(インテル)の同点・逆転弾、アイマールとテベスの駄目押し弾で4対1とゴールラッシュ。あらためてその恐るべき破壊力を見せつけた。

「俺が初めて代表入りしたとき、同じポジションにはバルボ、カニージャ、バティストゥータがいた。競争を怖れる者は、真のサッカー選手じゃない」
 円熟の極みに達したFWクレスポ(インテル)は代表での意気込みを語る。

「俺たちインテル組はもちろん、R・マドリーのガゴ、マンチェスター・Uのへインツ、それにボカ(・ジュニオールス)でリベルタ・ドーレス杯を勝ったばかりのリケルメ。アルゼンチンにはチャンピオンたちが揃っている。各国トップリーグでの優勝経験は、代表でのさらなる勝利の意欲をかきたててくれるんだ」

 クレスポ−メッシの2トップに、リケルメ−ベロンの司令塔コンビ。隙は見当たりそうもない。アメリカ戦でマラドーナの持つ同国代表ゴール記録「34」に並んだクレスポの願いは一つだ。
「大会得点王になんか興味はない。優勝カップだけが狙いさ」

弓削高志