【ファンキー通信】「単行本」って何ですか?

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 ふと思った。「『単行本』と呼ばれる本の範囲って、いったいどこからどこまでなのかしら?」、と。「単行本」と呼ばれる本って実用書など、比較的サイズが大きいのものを指すような気がするんだけど、文庫・新書サイズのものは「単行本」には入らない? それともハードカバーで書き下ろしの本が単行本? 気になって仕方なかったので、本の装丁のプロに訊いてみた。

 「『単行本』とは、叢書(そうしょ)や全集、文庫・新書などのシリーズに属さず、単独で出されて売られている本を指します」(新潮社・装丁部)

 叢書とは一定のテーマに基づいて書物、著作にまとめあげられたものを指す。“NHKブックス”とか“ちくまライブラリー”みたいに、“○○ブックス”、 “○○ライブラリー”と謳われるシリーズが多いよね。全集は立派なハードカバー、叢書は実用書っぽい大きさでソフトカバーのものが多いから、やっぱり文庫や新書サイズのものは「単行本」のくくりには入らないの?

 「いいえ、“新潮文庫”、“新潮社新書”などとシリーズ化されていない本であれば、文庫・新書サイズでもそれは単行本になります。単行本というのは、サイズ的な定義じゃないんですよ。従ってハードカバーであるか、ソフトカバーであるかも単行本には関係ありません」(同)

 実際に文庫本サイズや新書サイズでも単行本と呼ばれるものもあるんだって。もちろんマンガ本でも、たとえば“りぼんマスコットコミックス”や“てんとう虫コミックス”など、一定のカテゴリーに属さないマンガであれば、単行本になる。う〜ん・・・これで「単行本のナゾ」がスッキリした! もう「単行本と文庫本ってどう違うの?」って訊かれても、「え、ええと・・・単行本が大きくて、文庫本のほうが小さい・・・?」とか自信なさげに答える心配もなくなったね!(遠藤麻衣/verb)