30日、東京都港区のアーバンネット三田の屋上で行われた、サツマイモの収穫祭。(撮影:久保田真理)

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8階建てビルの屋上でサツマイモを収穫!?――。NTT都市開発<8933>とNTTファシリティーズ(東京都港区、森勇社長)は30日、東京都港区のアーバンネット三田ビルで、屋上緑化実験用に栽培したサツマイモの収穫祭を行った。

 この実験は、同ビル屋上で2006年5月から実施。土を使わず、水と水に肥料を溶いた「液肥」でサツマイモの葉と茎を栽培するシステムを採用し、1平方メートルの装置でその25倍の面積を緑化できる。実験の結果、サツマイモの根が吸収した水を葉から蒸散させる量が、芝生の場合に比べて1.5倍多く、ヒートアイランド緩和効果が高いことが分かった。

 7月、砂入りプランター15個を用意し、つるに砂をかぶせて、サツマイモを実らせた。収穫祭では、関係者らがイモ掘りに挑戦。プランターから次々と大きなイモが掘り出されると、歓声が上がった。収穫したサツマイモの試食会では、天ぷらや茎のおひたしなどが並び、参加した女性社員(29)は、「イモ掘りは子どものとき以来。味もおいしい」と満足そうな顔で話していた。関係者は1個のプランターからサツマイモ5キロ、計75キロの収穫を見込んでいる。 

 NTT都市開発の浅見武治広報課長は「芝生で緑化する場合、土が必要で屋根の耐荷重が問題視されたり、水やりや芝刈りなど管理が面倒だが、サツマイモの場合は、栽培中に手入れの必要がない上、収穫の楽しみがある」とサツマイモでの緑化に期待を示した。

 NTTファシリティーズは今後、システムの改良、コストダウンの検討などを行い、来年からシステムを販売する予定だ。【了】