ソフトバンクが目指す自動運転バスのある未来とは、試乗会でみえたもの

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ソフトバンクと三菱地所は、ソフトバンクグループのSBドライブの協力のもと2017年12月22日、東京・丸の内で「自動運転バス試乗会 in 丸の内仲通り」を開催した。

試乗会開催に向けたセレモニーにおいてソフトバンク 代表取締役副社長兼COOの今井康之氏は「AIやIoTをベースとした企業の働き方改革、生産性の向上に注力している。社会インフラの構築に最新のテクノロジーが活用できる」とソフトバンクの取り組みについて話す。

今回、一般公開した自動運転という領域は「AIやIoT、そしてロボット、全てにまたがる技術である。この技術で将来の日本を作り上げていくことを、企業や自治体とともにやり遂げていきたい」と今井氏。

試乗会は、三菱地所が丸の内エリアで進める「オープンイノベーションフィールド」の一環で、先進技術やテクノロジーを用いた実証実験を支援する取り組みによるもの。公道の一部を交通規制した上で、100mの自動運転が行われた。




公道を走る自動運転バスはNavya社製(フランス)の「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」を使用。動力はバッテリーとモーターによるもので最大時速45キロでの走行を可能としており、今回の試乗会ではおよそ時速5キロでの走行となった。




自動運転には、衝突回避のための支援機能であるレベル1から、完全自動運転のレベル4までの設定がある。NAVYA ARMAは機械が自動運転を行うレベル4となり、車内には運転席がなく、ある意味人為的ミスがない安全な自動車であると言える。

ビルが建ち並ぶ丸の内の公道での今回は、GPS信号が掴みにくいと言うこともあり、一度人間がコースを走らせたものをトレースする形で行われた。ロボットがこのルートをトレースし、車両に取り付けられた走行用の各種センサーの情報からAIが歩行者や障害物を検知し自動運転を制御するという仕組みだ。

今回の試乗会は、直線を往復するという単純なものだったが、実際に公道での運用となると、走行に関するGPSの精度や信号機の認識などまだまだ課題がある。しかしながら、ドライバーの高齢化や人手不足、過疎地域での交通機関といて期待される分野である。

また、レベル4の自動運転車両への乗車は、運転免許がいらないためタクシーのように近距離を自由に移動するためのパーソナルモビリティとしての運用も可能となるだろう。

ソフトバンクは、自動車メーカーでもなければ、交通事業者でもない。しかしながら、企業や自治体つなげる役割として自動運転バスの実証実験を行っている。冒頭で紹介したように将来の日本を作る上でAIやロボットによるインフラが必要であり、我々の生活を支援しそして豊かにしていくことになるだろう。

自動運転バスのある未来実現にはまだまだ課題が多いが、今後、我々がどのように利用できるようになるのか興味深い。


執筆  mi2_303