日本三大八幡宮の1つ。勝利を掴み取るパワースポット

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博多湾から長い参道がまっすぐ続く、福岡市東区箱崎にある筥崎宮(はこざきぐう)は、大分の宇佐神宮と京都の石清水八幡宮と並ぶ日本三大八幡宮の1つ。

【写真を見る】毎年地元ソフトバンクの選手らも必勝祈願に訪れるそう。この必勝守(800円)は選手たちへも授与されている

応神天皇(おうじんてんのう)と、その母である神功皇后(じんぐうこうごう)、そして玉依姫命(たまよりひめのみこと)を御祭神とし、古代から式内社(名神大社)として、また筑前国一宮、旧官幣大社、現在も神社本庁の別表神社として格の高さを誇っている。

由来は、平安時代中期に醍醐天皇が神勅によって「敵国降伏」の宸筆(しんぴつ)を賜わされ、筑前大分(だいぶ)宮より遷座されたのが始まりとされる。鎌倉時代中期元寇の際に亀山上皇が「我が身を以て国難にかわらん」と神門に「敵国降伏」を祈願すると、博多湾に「神風」が吹き、敵兵に大打撃を与えたといわれ、以来厄除・勝運・海上交通・海外防護の神として信仰されている。

楼門の右手にある、朱の玉垣で囲まれた松の木が御神木「筥松」。神功皇后が応神天皇を出産した際に胞衣(えな)を箱に入れてこの地に納め、その印としてこの「筥松」が植えられたそう。夫である仲哀天皇の九州征伐に同行し、福岡市東区にある香椎宮で崩御した後、子である応神天皇を宿したまま、御神託に従い三韓征伐(さんかんせいばつ)をとり行ったと伝えられることから、この地には母と子の勝利の伝説も宿っている。

また、万物の生命をいつくしみ、殺生を戒める「放生会(ほうじょうや)」は、博多どんたく、博多祇園山笠と並び、博多を代表する三大祭りに数えられる。毎年9月12日〜18日に行なわれるこの特別な祭事では、国指定重要文化財となっている本殿・拝殿も公開され、千利休奉納の石燈籠も間近で見ることができる。

さらに、2年に1度挙行される、三基のおみこしを中心に約500人が奉仕する行列「御神幸(ごじんこう)」も見もの。鐘や太鼓の音が鳴り響き、境内は参詣の人々で溢れかえる。古来の形態が守られ続ける貴重な行事に、地元の人たちとの縁深さが感じられるようだ。お詣りのあとのお楽しみは、何といっても参道に軒を連ねる数百軒の露店。日が落ちたあとも、お祭りならではのにぎやかさを満喫して。

境内にひょっこりと顔をのぞかせる不思議な「湧出石(わきでいし)」にも注目。国に一大事が起こるときに姿を現すと言い伝えられるこの石は、撫でると泉のように“運が湧く”というパワースポット。その他にも地元の人がこぞって手を合わせるというご神木など、隠れたパワースポットもあるのだとか。

境内にはあじさい苑や神苑花庭園などもあり、美しい花々や溢れる緑に、心まで澄んでゆく癒しのひと時が過ごせそう。

勝利の神様として親しまれ、毎年地元ソフトバンクホークスの選手らも必勝祈願に訪れる筥崎宮。2018年、勝運にあやかりたいならぜひとも参詣しておこう。

[筥崎宮]福岡県福岡市東区箱崎1-22-1 / 092-641-7431 / 社務所(札所)7:30〜17:00 ※境内開閉門6:00〜19:00、祈願受付時間9:00〜16:30、御朱印受付時間9:00〜16:30

【九州ウォーカー編集部/取材・文=八木あお、撮影=鍋田広一(パンフィールド)】(九州ウォーカー・八木あお)