男女6人の共同生活を記録した恋愛観察バラエティ『テラスハウス』が人気を博すなど、数年前よりじわじわと盛り上っていた「シェアハウス」。欧米では昔から根付いている住居形態だといわれていますが、正直日本では一時期の盛り上がりがなくなってしまった感があります。

2大懸念材料は「住民同士のトラブル」と「プライベート空間」

「日本法規情報株式会社」ではシェアハウスに関する現状について、意識調査を行なっています。そちらによると、「現在もしくは将来に、シェアハウスに住みたいと思いますか?」という質問で「住みたいと思う」と答えている人は16%。残り84%は「住みたいとは思わない」と答えているそうです。なぜ住みたくないのか? その理由は以下の通りとなります。

シェアハウスで生まれる恋よりも、トラブルが懸念材料となのが現実です……。

「住民同士のトラブル」と「プライベート空間」による懸念がどちらも27%。さらに「他人と住むのは怖い」が20%、「共同生活に自信がない」が19%とこちらもほぼ同数。1つの理由が突出しているわけではなく、不安な理由が複数同じくらいあるのが特徴です。1つの理由だけではないので、根本解決も難しいかもしれません。

案外盲点? 「ルール違反」によるトラブル

とはいえブーム以来、日本でシェアハウスが身近になったのは事実。同調査では「自分自身や周囲の人が、シェアハウスでのトラブルの経験はありますか?」と尋ねたところ、「はい」が38%となっています。その割合の多さと同時に、シェアハウスが決して遠い存在ではないことも表している数字です。

では実際どんなトラブルに遭遇しているのか? 同調査では「身近にシェアハウスでのトラブルを感じたことがある」と回答した人を対象に、実際にどのようなトラブルに遭ったかについても調べています。

「雑音」も5%。騒音被害は近隣住居でもトラブルになりがちです。

圧倒的に多いのは「住民同士のトラブル」(43%)。前述にあった「シェアハウスに住みたくない人の理由」について調査でも1番懸念材料でしたが、やはり実際にも遭遇することが多いようです。

しかし「シェアハウスに住みたくない人の理由で同様に意見が多かった「プライベート空間」ですが、それが侵される「プライバシーの侵害」はわずか7%。実際住んでみるとその点はあまり問題とならないようです。逆に想定外となっているのが「ルール違反」(24%)。モラルを守ることが比較的得意といわれる日本人ですが、その反面他人のモラルにも厳しくなってしまい、それがストレスへとつながっているのでしょうか? また「盗難」も(12%)もかなり多く、確かにそういった実情を知るとシェアハウスに不安を抱いてしまうのは仕方がないのかもしれません。

個別の部屋以外に住民同士の共有スペースがあるのがシェアハウスの特徴であり、醍醐味ですが……。

とはいえ日本でも身寄りのない高齢者は増えているといわれ、社会問題となっています。つまり将来的に共同生活のニーズはかなり高まることが考えられるのです。なんとなくブームが沈静化してしまったシェアハウスですが、超高齢化社会を迎える日本には間違いなく必要となるはず。そのためにももっと利用者が快適に暮らせる物件や雰囲気が出てほしいところです。

【調査概要】

調査媒体:日本法規情報株式会社

調査期間:2017/06/30~2017/07/14

回答者:787人(男性370人女性417人)