白ボディにリヤの「+M」エンブレムがある時点で疑った方がいい

 史上最速の覆面パトカー、などと話題を集めているのが警視庁が導入したトヨタ・マークX “+Mスーパーチャージャー”の覆面パトカーだ。東京の首都高を中心に日夜違反者の取り締まりに従事している同車だが、改めてどういったクルマなのかを振り返ってみたい。

 それまでのマークIIの後継車種として2004年に登場したマークXは、2009年に2代目へと進化。そのフルモデルチェンジと共にトヨタモデリスタインターナショナルが手掛けるコンプリートカーのひとつとして登場したのがこの「+Mスーパーチャージャー」となる。ベースとなったのは3.5リッターエンジンを搭載する3グレードだった。

 ちなみに初代マークXにも3リッターエンジンを搭載するモデルをベースにスーパーチャージャーで武装したコンプリートカーが設定されており、2世代連続してスーパーチャージャー仕様が存在していたことはあまり知られていない。また、2008年デビューの13代目クラウンにも2代目マークXと同じチューニング内容の「+Mスーパーチャージャー」が設定されていた。

 そんなマークX “+Mスーパーチャージャー”のチューニング内容のトピックはなんといっても専用スーパーチャージャー&専用ECUの装着だろう。これにより、360馬力/50.8kg-mというすさまじいパワーを手にしているのだ。(ベース車は318馬力/38.7kg-m)

 また、増大したパワーに対応するべく20mmダウンとなる専用スポーツサスペンションを装着。見えない部分となるが、この専用足まわりはモデリスタのイメージカラーである緑にペイントされている。

 さて、ここからは覆面パトカーとして納入されたマークXの特徴について述べて行きたいが、そもそもスーパーチャージャー仕様車がほとんど売れていない現状を考えると、リヤに「+M」のエンブレムが貼ってある時点で覆面パトカーの可能性を疑ったほうがいいだろう。また、15台ほどの台数が投入されたと言われているが、全車がホワイトパールクリスタルシャインのボディカラーを纏っている。さらにモデリスタ製のエアロパーツを装着しているのも特徴と言えるだろう。

 ちなみにマークXはスーパーチャージャー仕様以外にも覆面パトカーとして導入実績があるが、そのすべてが3.5リッターエンジン搭載車となる。つまり、純正で18インチのホイールを装着していることになるわけだが、一般ユーザーが購入しているマークXの多くが2.5リッター仕様ということを考えると18インチを履いたマークXには要注意、と言えるだろう。

 もちろん、覆面パトカーにお世話になるような運転をしない、というのが基本中の基本であることは言うまでもない……。