長野県の田中康夫知事は9日、定例記者会見を行い、今回の総選挙について「正直言って小泉さんが大勝すると思う」と述べ、「郵政民営化に賛成か反対かの選挙ではない。(このまま小泉首相を勝たせてしまったら)増税をやることになり、役人天国になる」と懸念を示した。

 郵政民営化関連6法案の成立にむけて自民党内を仕切った青木幹雄参院議員会長、片山虎之助参院幹事長、武部勤幹事長を挙げ「国会運営の担当者が、法案が国会で認められなかったことの責任で、誰も役職を辞めない。『身勝手解散』だ」と批判。「議院内閣制の首相が、大統領制に近い首長よりもごう慢が許されるのは『パワーハラスメント解散』だ」と付け加えた。

 田中知事は「現時点で熱烈支援したい政党は見当たらない」とした上で、同法案に反対した自民党の亀井静香元政調会長や民主党に対し、真の小さな政府を目指すならと前置きし「真の改革とは何なのか。ブッシュ米大統領のような富裕層への減税ではなく、満員電車に乗っているサラリーマン層などを減税するべきだ」と注文をつけた。【了】