ハイエンドスマホのトレンドはガラスへ!メタルを牽引したHTCが方向転換した理由

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HTCは最新フラッグシップスマートフォン(スマホ)「HTC U11」を発表した。
日本支社のHTC NIPPONからもプレスリリースが出され、日本でも発売を予定しているという。販路は明らかにされていないが、今夏モデルとして投入される予定だ。

HTCは、ハイエンドモデルに多用されているメタル(金属)ボディーの流行を作ったとも言えるメーカーだ。

しかし、今回の新しいHTC U11は、デザインを一新してガラス素材を採用している。

HTC U11のカラーバリエーション。日本ではソーラーレッドを除く4色が発売予定

奇しくも今年前半の各社のフラッグシップスマホは、
・サムスン電子「Galaxy S8/S8+」、2年前の「Galaxy S6」からガラス素材を使っている
・シャープの「AQUOS R」、
・シャオミの「Xiaomi Mi6」(上位版はセラミック)
など、ガラスボディー採用のモデルが増えている、

また、秋に投入されると見られるアップルの次期スマホについても、現在のメタルボディーからガラスボディーに変わるのでは? と噂されている。

どうやら、ここ数年のトレンドであったメタルボディーから、ガラスボディーへの転換期に移行しつつあるようだ。

こうした本体をガラス素材に変更する理由は、さまざまある。
1つには、Galaxyや今後登場されると見られるiPhoneでは、
・ワイヤレス充電への対応のしやすさ
・さまざまな通信機能に対応で複雑化するアンテナ問題
・防水や多色化するカラーバリエーション対応
などが考えられている。

HTCではあくまでHTC U11においては技術的な問題ではなくデザイン性のためにガラスボディーにしているが、ガラスそのものの強度や加工のしやすさの向上も採用につながっているのだと思われる。

実際にHTC U11では、昨年辺りから増えていた2.5Dガラスよりもさらに湾曲した3Dガラスによる「Gorilla Glass 5」を前面も背面も採用している。
超高温で熱したガラスを高い圧力をかけて湾曲させる技術によって「全方位対称フォルム」となっている。

また背面側は、屈折率の高い希少な素材を何重にも重ねた光学スペクトル・ハイブリッドカラー技術によって見る角度によってまったく異なる2色に見える「リキッド・サーフェイス」も実現している。

対称フォルムや見る角度によって色が変わる、といった仕掛けは、これまでにもGalaxyシリーズをはじめとしてさまざまな機種で採用されていたものだが、HTC U11は、それらをさらに進化させたといった印象だ。

実際に実機を見てみると、
ソーラーレッドについては正面から見れば赤色に見え、斜めから見ると黄色になるというくらいに大きく色が異なっている。また側面も丸みがあるため持ちやすい。

この側面には新たにエッジセンサーを搭載し、握ることで操作できる「Edge Sense」に対応している。
実は、これもシャープの「グリップマジック」に近い機能で、目新しい技術ではないが、より簡単に使えるように進化しているという。

音声アシスタントも「Google Now」だけでなく、アマゾンの「Amazon Alexa」にも対応する。さらに独自の人工知能(AI)学習によるレコメンド機能「Sense Companion」も導入される。

このほか、国内ユーザーが好むIP67準拠の防水・防塵に対応するほか、日本向けはおサイフケータイ(FeliCa)にも対応する。

創業20周年を迎えて次の20年へつながるモデルとしてデザインを一新したHTC U11。
ここ最近ではシェアを落とし経営的にも苦しんでいるHTCだが、今後の社運を掛けた製品となりそうだ。

●HTC U11の主な仕様
画面   :5.5インチWQHD液晶
大きさ  :154×76×8.3ミリ(最厚部9.49ミリ)
重さ   :170g
本体色  :アイスホワイト、アメイジング シルバー、サファイア ブルー、ブリリアント ブラック、ソーラーレッド
SoC   :Qualcomm製「Snapdragon 835」(2.45GHz×4コア+1.9GHz×4コア)
メモリー :4GB
ストレージ:64GB、microSDXCカード(最大200GBまで)
バッテリー:3000mAh(取外不可)
カメラ  :背面約1200万画素、前面約1600万画素
通信   :Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
位置情報 :A-GPS・GLONASS・Beidou
センサー :加速度、環境光、磁気、近接、ジャイロ、電子コンパス、指紋、エッジ、センサーハブ
端子   :USB Type-C端子(USB 3.1)


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