日本を訪れる中国人の多くは日本のトイレに感動するという。洗浄便座そのものの機能の豊富さだけでなく、トイレの清潔さも感動をもたらす要因の1つとなっている。こうした要因が中国人の温水洗浄便座の爆買いにつながったという一面もあるだろう。

 中国を訪れたことのある人ならば、中国トイレがいかに不潔か分かるだろう。中国沿海部の大都市はまだ清潔だが、内陸部の中小規模の都市や人が多く集まる観光地のトイレは非常に不潔だ。中国メディアの微頭条はこのほど、日本の一部メディアが「中国トイレは清潔ではない」と報じたことを紹介したうえで、中国の公衆トイレが汚い理由について説明する記事を掲載した。

 記事は、中国トイレが清潔ではない理由について、日本のメディアが「中国人には公徳心がないため、社会や他人に気を配ることができない」と報じたことを紹介。このことを裏付ける根拠の一つとして「中国人の家のトイレは清潔である」という点を記事は指摘。つまり中国人は公衆トイレを「自分のものではない」と考えるゆえに清潔にしないという見方を記事は示した。

 「公共財産に対する保護義務の意識が薄いというのが根本的な要因である」とも記事は説明。こうした理由があるため、2008年の北京オリンピックや2010年の上海国際博覧会のときにきれいに整備した中国トイレも、こうしたイベント終了後に「すぐに汚くなった」と記事は説明した。

 日本人の場合、様々な中国メディアも指摘しているが他の人に迷惑をかけないという意識が非常に強い。こうした意識は、公共の設備を使用する際に自分が使った後に他の人がさわやかに設備を使用できるように配慮するという行為に反映されているのではないだろうか。

 記事の要点は、中国に清潔感あふれる公衆トイレが存在できるようにするために必要なのは設備改革ではなく、中国人の意識改革であるという点だ。意識改革は一朝一夕でできることではない。ましてや中国全土で行うとなれば、極めて長期的な取り組みが必要だろう。例えば、学校教育を通じて子たちたちに「公共の財産を大切に扱う意識」を教えることなどが方法として考えられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)