ご近所トラブルは、必ずしも「勧善懲悪」とはいかない。さまざまな状況や人間関係などから、こちらが「正しい」場合でも、結局折れる羽目になることもある。難しいところだ。

岡山県のRさん(30代男性・自営業)は、迷惑な隣人の元にご近所さんたちとともに乗り込んだ。ところが、そこに厄介な「助っ人」が現れて......。

夜になるとバカ騒ぎのお隣

隣の一軒家の、ガラの悪い住人たちに困り果てている。定期的に夜、仲間が集まってきて、バカ騒ぎの宴会をするのだ。私だけではなく、近所一同の悩みだ。

ある夜、いつもの乱痴気騒ぎが始まった。どうしたものかと思っていると、向かいのおじさんが堪忍袋の緒が切れたとばかりに、クレームを言いに乗り込んでいった。私たちは以前から、

「誰かがあそこの住人とトラブルになったときには、周りのみんなで助太刀し合おう」

と約束していたので、都合のついた人間が数人、おじさんの応援に駆け付けた。

画像はイメージです(altemarkさん撮影、Flickrより)

玄関口では、おじさんと住人の女が押し問答している。女は見るからに不機嫌そうで、片手にはチューハイを持ったまま。私たちは声をそろえて、

「近所迷惑だから静かにしてくれ」

と訴えたが、相手は聞く耳を持たない。中からも仲間らしき男女が出てきて、「うるさい」「帰れ」だの言いたい放題だ。

なんでこっちが謝らなきゃ...

しまいには例の女が、

「うちらに逆らうんか? ヤクザが味方におんねんぞ」

と言い出した。皆、さすがに一瞬ひるんだが、こっちも我慢の限界だ。どうせ脅しだろうと思い、構わず文句を言い続けた。向こうも、私たちの勢いに気圧されてきたらしい。ここで退いてたまるか。

ところがそのとき、爆音で妙な音楽を流しながら、派手なゴツい車がやってきた。下りてきたのは、明らかにそっち系のお人だ。

「おう、どうしたんや」

そう、本当にヤクザが来てしまったのだ。我ながら情けないが、私たちは途端にしどろもどろに。かえって先方に平謝りする羽目になり、ほうほうの体で逃げ帰るしかなかった。

やがてお隣からは、いつも以上に盛大なバカ騒ぎの声が聞こえ始めた。打ちのめされた私たちはもはや誰一人抗議に行こうなどという気力もなく、夜中の3時ごろまで彼らの笑い声を聞かされ続けたのだった......。

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