いよいよ5月からSIMロック解除対応へ、半年後制限の横並びで「ドコモだけが改悪状況になる?」

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ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクといった大手ケータイキャリアに変化が訪れている。
総務省の意向により5月移行に発売されるスマホは原則SIMロック解除できるようにする動きや、2年縛りが緩和されるといった動きだ。
これらは消費者がスマホをより使いやすくするために行われる。
しかし、実際の対応において、大手ケータイキャリアでは、こうした動向に抵抗するかのような動きを見せている。

●SIMロック解除には応じる、けれども…それは半年後?
5月移行に発売されるスマホには、SIMロック解除に応じる必要がある。
この対策は下記のようなメリットがある。 
・大手ケータイキャリアで購入したスマホに格安SIMを入れて、割安な料金で使う、
・海外では現地のSIMを入れることで国際ローミングよりも安い料金で利用できる。


実際にNTTドコモとKDDI auが発表した施策は”SIMロック解除に応じない期間を設けたのだ。
・NTTドコモ SIMロック解除条件 購入日から6か月間が経過していること
・KDDI(au) SIMロック解除条件 購入日から180日が経過していること

両者とも5月以降に発売されるモデルを購入後半年たったらSIMロック解除に応じるとしている。
なお、記事執筆時点ではソフトバンクは発表を行っていない。

つまり、夏の海外旅行で海外のSIMを使いたいと思って5月に最新スマホを購入しても、SIMロックを解除できるのは、11月以降となるで、夏の旅行では現地の海外SIMは使えないとなる。

こうした対策については、総務省の「SIMロック解除に関するガイドライン(平成26年12月改正)」にも記載されている。
「端末の割賦代金等を支払わない行為又は端末の入手のみを目的とした役務契約その他の不適切な行為を防止するために、事業者が最低限必要な期間はSIMロック解除に応じないことなど必要最小限の措置を講じることを妨げるものではない。」

スマホ本体の入手のみを目的としたSIMロック解除に対しては、SIMロック解除に応じない期間を設けても良いということだ。
そこで、ドコモやauは、最低限必要な期間を半年と定めたというわけだ。

●ドコモはSIMロック解除が、なぜ改悪なのか?
これまでドコモは、スマホのSIMロック解除に対しては、積極的な動きを見せていた。
2011年4月以降に発売された、iPhoneなどを除くほぼ全ての携帯(スマホ、ガラケー、タブレット、Wi-Fiルーターなど)については、SIMロック解除に応じてきた。
店頭で3,000円(税別)の事務手数料は必要だが、購入直後のスマホでもSIMロック解除はできた。

しかし、5月以降は、これが不可能となる。つまり、
・2015年4月末までに発売されたモデル → 購入直後でも店頭でSIMロック解除ができる
・2015年5月以降に発売されるモデル → 購入後半年後でないとSIMロック解除はできない

これは、誰がみても、これはSIMロック解除の対策としては、後退しているとわかるだろう。

なぜ、改悪となったかについては、不明だが、下記のような理由が推測できる
・混乱をふせぐためKDDI(au)と足並みを揃える
・転売目的での購入を防ぐ

しかし、もともとSIMロック解除を積極的に行ってきたNTTドコモだけに、夏の行楽で海外旅行に出かけるユーザー向けに従来通りの対応を期待したいものだ。

ガイドライン改正に伴うSIMロック解除手続き方法の変更|NTTドコモ
SIMロック解除の開始について|KDDI
SIMロック解除に関するガイドライン(PDF)|総務省


布施 繁樹