村木厚子さんが当然のことながら無罪となった。真実に迫る努力を捨て、あくまで手柄のための筋書きに固執する特捜検事たち。その倒錯した自身を振り返る余裕もない思考停止の実態を、郷原信郎氏は著書「検察が危ない」のなかでこう書いている。「特捜部ほど人間をスポイルしてしまう組織はない。そこには人間が本来持っている“世の中に対しての鋭敏な感受性”を失わせてしまう思考停止の構図そのものがある」「特捜部に配属になり