『三国志名臣列伝魏篇』(宮城谷 昌光) 宮城谷昌光氏の『三国志』は全十二巻で、まさに超大作である。これは宮城谷氏にとっても格別な作品だったに違いなく、自作について解説風なことを語るのがきわめて少ないこの作家が、何度かにわたってインタビューに応じていることからもそれが推察されるのである。私はインタビューで語られた作家の言葉に心惹かれ、今でも記憶していることが少なくない。 その一つに